十文(読み)ジュウモン

デジタル大辞泉 「十文」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐もん〔ジフ‐〕【十文】

1文の10倍。
江戸時代上方で、街頭に立つ最下級娼婦値段。また、その娼婦。惣嫁そうか十文色じゅうもんいろ
「定まりの―にて、各別のほり出しあり」〈浮・一代女・六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「十文」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐もんジフ‥【十文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一文(いちもん)の一〇倍。
  3. 江戸時代、上方で街頭に立った最下等の娼婦。また、その値段。総嫁(そうか)。十文色。
    1. [初出の実例]「彼男、あれ是目利をして定りの十文にて」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)六)
  4. 江戸時代、銭湯の入浴料金。
    1. [初出の実例]「安作者が十文(ジフモン)湯気にあがりて、譫言(うはこと)を吐く事しかり」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)
  5. 江戸時代、大坂・堺から京都まで、魚荷を運搬するかたわら手紙を運んだ飛脚の代金。十文。
    1. [初出の実例]「此文(ふみ)の届賃(とどけちん)此方にて十文(じふモン)魚荷に相わたし申候との断り書」(出典:浮世草子好色一代女(1686)三)

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