朝日日本歴史人物事典 「南部師行」の解説
南部師行
生年:生年不詳
南北朝時代の武将。遠江守。父は政行。母は南部実継の娘。母の兄である南部長継の養子となり,家督を継ぎ,甲斐国波木井郷(山梨県身延町)を領した。正慶2/元弘3(1333)年北畠顕家に従い陸奥国に下向して,糠部郡八戸の根城(青森県八戸市)を拠点とした。建武1(1334)年鹿角郡の闕所地を与えられ,翌年に旧幕府の与党の反乱を平定した。足利尊氏が建武政権に反旗を翻すと,その追討のため北畠顕家は上洛して尊氏を九州に追ったが,師行は陸奥にとどまり,南朝勢力を糾合して,足利方と攻防を繰り返した。建武4/延元2年顕家の再度の上洛に従って,伊勢,伊賀を経て,和泉国石津(大阪府堺市)まで軍を進めたが,ここで顕家と共に討死した。
(伊藤喜良)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報