単科大学(読み)たんかだいがく(英語表記)college; faculty

精選版 日本国語大辞典 「単科大学」の意味・読み・例文・類語

たんか‐だいがく タンクヮ‥【単科大学】

〘名〙 学部がただ一つ大学商科大学医科大学など。総合大学に対する語。
学生読書(1938)〈河合栄治郎編〉学生と図書館吹田順助〉「総合大学であるか、単科大学であるか」

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デジタル大辞泉 「単科大学」の意味・読み・例文・類語

たんか‐だいがく〔タンクワ‐〕【単科大学】

学部が一つだけの大学。商科大学・医科大学など。→総合大学

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大学事典 「単科大学」の解説

単科大学
たんかだいがく

一般に,一つの学部のみからなる大学を単科大学と呼ぶ。これに対し,複数学部からなる大学,とりわけ文科系理科系の主要学問領域に係る学部を一通り備えるものを総合大学と呼ぶ。ドイツ等では,伝統的に研究機能重視の総合大学を理想としてきた。明治以降の日本でも,ドイツに倣って総合大学としての帝国大学のみが正式の大学とされ,単科大学が認められない時期がしばらく続いた。一方で,早い時期から高等商業学校等の官立の実学系専門学校のほか,公立私立の専門学校が設けられており,専門学校令(明治36年勅令第61号)による制度的な位置付けの明確化を経て,大学昇格を求めて運動を展開する有力校も現れた。1918年の大学令(大正7年勅令第388号)では,公私立大学の設置とともに単科大学の設置も認められることとなった。当時の専門学校が大学に昇格した場合,単一学部の開設しか想定し得ない学校が多かったため,公私立大学を認めることと単科大学を認めることは実質的に切り離せない問題であった。

 大学令制定後,とくに官公立では商学医学工学等の実学系の専門学校が大学に昇格し,帝国大学と比較して,高度な職業人育成の役割を担った。第2次世界大戦後も医科大学,教員養成大学をはじめ,女子大学も含めてさまざまな単科大学が生まれた。ドイツでも,19世紀以降,工科大学,商科大学等の単科大学が創設され,総合大学と同等の地位を有するようになっている。
著者: 寺倉憲一

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「単科大学」の意味・わかりやすい解説

単科大学
たんかだいがく
college; faculty

いくつかの学部をおく総合大学に対し,単一の学部から成る大学をいう。第2次世界大戦前は工業大学,商科大学,医科大学などがおもなものであったが,大戦後は女子大学も含めてさまざまな種類の単科大学が生れた。

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