動物の発生において胞胚に続く段階で、嚢胚(のうはい)ともよばれる。原腸形成の結果、外胚葉、中胚葉、内胚葉の3種の細胞層をもつ原腸胚が生ずる。各胚葉は将来それぞれ異なった組織に分化する。原腸胚になると遺伝情報の伝令RNAへの転写が急激に盛んになり、その遺伝情報に従って分化が進む。また両生類の原腸胚では以後の分化を決める形成体が生ずる。原腸形成の様式は動物により異なる。ウニでは胞胚の植物極で細胞層が胞胚腔(こう)内に陥入してくぼみ(原腸)となり、陥入運動が続いて原腸は動物極に達する。
両生類では胞胚の赤道に細胞分裂の盛んな周縁体があり、その下端にひび状の溝が生じ、そこから胞胚腔内に向かって細胞が陥入する。陥入が進むにつれて溝は半円状に側方に伸び、やがて両端がつながって円形となる。これが原口である。最初に生じた溝は胚の背側にあり、その上縁が原口背唇(形成体)である。陥入は円い原口唇の上から巻き込むようにして進む。爬虫(はちゅう)類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類では胚盤に原条という浅い溝が生じた時期が原腸胚であり、形成様式は両生類と根本は同じであるが、多量の卵黄質のため胚盤でのみ胚が形成されるので多少の違いを生じている。
[嶋田 拓]
…これに対し半索動物以下の後口動物では,中胚葉細胞はもっぱら内胚葉に起源し,原腸壁を構成する細胞の一部が,胞胚腔に向かって間充織状あるいは囊状に分離することによって形成される(図3‐b)。この時期の胚は囊胚gastrulaとよばれる(原腸胚ともいう)。 胚葉の分化を達成した囊胚は,それぞれの種に固有な体制の複雑さに応じ,さまざまな度合の器官形成の時期に入る。…
※「原腸胚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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