物体が全体として磁化をもつと表面に磁極が現れる。この磁極は物体の内外に磁場を生ずるが,物体内の磁場は磁化を減少させる方向に現れ,これを反磁場という。磁化の分布によっては物体内にも磁極が現れ,反磁場をつくる。磁化の大きい強磁性体,反強磁性体,完全反磁性を示す超伝導体でその効果は著しい。物体が楕円体で磁化が一様であれば反磁場もこの物体内で一様になる。楕円体の主軸の方向に磁化が向いている場合,反磁場もその主軸の方向にあり,磁化とは逆向きになる。また楕円体のように磁化および反磁場がともに一様に分布しているときには,反磁場の大きさは磁化の大きさに比例し,その比例係数を反磁場係数という。非常に細長い楕円体の極限を考えてみると,長軸の方向に磁化がある場合は磁極は遠くにあることになり,反磁場は小さいはずである。実際,細長い極限では,長軸方向の反磁場係数は0となる。長い棒磁石の軸方向に磁化したものは,この極限に近く,反磁場が弱く,その意味で安定であると考えられる。
執筆者:吉森 昭夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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