反音(読み)ハンオン

デジタル大辞泉 「反音」の意味・読み・例文・類語

はん‐おん【反音】

漢字の音を反切はんせつによって示すこと。また、反切した音。

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精選版 日本国語大辞典 「反音」の意味・読み・例文・類語

はん‐おん【反音】

  1. 〘 名詞 〙 漢字音を反切で示すこと。また、反切の音。
    1. [初出の実例]「但解此法、即解反音。反音之法乃有二種。一紐声反、二双声反」(出典文鏡秘府論(809‐820頃)天)
    2. [その他の文献]〔余叢考‐音字用点〕

反音の補助注記

「反音」は韻学における古い用語で、同意の「反切」は中国では唐末宋代に、日本では鎌倉時代以後に現われる。→「はんせつ(反切)」の語誌

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反音」の意味・わかりやすい解説

反音
へんのん

日本音楽の用語。雅楽では「かえりごえ」と読み (りょ) の曲の次にの曲を演奏すること,またはその逆をいったが,現在では死語。「へんのん」というのは声明 (しょうみょう) における読み方で,天台,真言両声明に用いられるが,天台声明の場合はほぼ古代雅楽の用法に等しい。真言声明では,1曲中で他調に転調する意味をも含む。

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普及版 字通 「反音」の読み・字形・画数・意味

【反音】はんおん

反切音。

字通「反」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の反音の言及

【声明】より

…また調としては壱越(いちこつ)調(壱越),平調(ひようぢよう),下無(しもむ)調,双調(そうぢよう),黄鐘(おうしき)調(黄鐘),盤渉(ばんしき)調(盤渉)を用いるが(真言声明では下無調を欠く),実際の演唱ではこの規定はさほど強くなく,演唱者の声域や個々の声明がもつ儀式における役割による傾向がある。このほか西洋音楽における転調や移調に対応する〈反音(変音)(へんのん)〉の理論があるが,これも古来論議されるところで共通の解釈がなされていない。一方講式や論義などの声明,あるいは浄土系,禅宗系など鎌倉以後の宗派にそれぞれ独自に作られた声明では,以上と多少異なる理論に基づく。…

※「反音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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