取立(読み)とりたて

精選版 日本国語大辞典 「取立」の意味・読み・例文・類語

とり‐たて【取立】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 抜擢(ばってき)すること。登用。挙用。
    1. [初出の実例]「梶原は頼朝の取立の被官なり」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三二)
  3. 特に取りあげて世話をすること。世間体が立つようにしてやること。一人前にすること。しこみ。
    1. [初出の実例]「アノ ヒトワ ワガ toritategia(トリタテヂャ)」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 催促して徴収すること。強制的に取ること。また、特に銀行などが手形小切手の所持人から委託をうけて、支払人に支払わせること。
    1. [初出の実例]「区内数百の人民が課銭(トリタテ)に苦しみ歎くなど」(出典:開化のはなし(1879)〈辻弘想〉二)
  5. 取ったばかりで間のないこと。また、そのもの。とれたて。
    1. [初出の実例]「采は山からきってとりたてのままの木ぞ」(出典:玉塵抄(1563)九)
  6. 新吉原遊郭で、新造出しでない遊女の称。
    1. [初出の実例]「今は姉女郎無きものをば、都で取立といふとぞ」(出典:随筆・柳花通誌(1844))

とり‐だち【取立】

  1. 〘 名詞 〙 幼児が物につかまって立ち上がること。
    1. [初出の実例]「はや取立(トリダチ)時分より、六尺三寸の、棒を持ならはせ」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)四)

とれ‐たて【取立】

  1. 〘 名詞 〙とりたて(取立)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android