精選版 日本国語大辞典 「取立」の意味・読み・例文・類語
とり‐たて【取立】
- 〘 名詞 〙
- ① 抜擢(ばってき)すること。登用。挙用。
- [初出の実例]「梶原は頼朝の取立の被官なり」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三二)
- ② 特に取りあげて世話をすること。世間体が立つようにしてやること。一人前にすること。しこみ。
- ③ 催促して徴収すること。強制的に取ること。また、特に銀行などが手形や小切手の所持人から委託をうけて、支払人に支払わせること。
- [初出の実例]「区内数百の人民が課銭(トリタテ)に苦しみ歎くなど」(出典:開化のはなし(1879)〈辻弘想〉二)
- ④ 取ったばかりで間のないこと。また、そのもの。とれたて。
- [初出の実例]「采は山からきってとりたてのままの木ぞ」(出典:玉塵抄(1563)九)
- ⑤ 新吉原の遊郭で、新造出しでない遊女の称。
- [初出の実例]「今は姉女郎無きものをば、都で取立といふとぞ」(出典:随筆・柳花通誌(1844))