梶原(読み)カジワラ

デジタル大辞泉 「梶原」の意味・読み・例文・類語

かじわら【梶原】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「梶原」姓の人物
梶原一騎かじわらいっき
梶原景季かじわらかげすえ
梶原景時かじわらかげとき
梶原直景かじわらなおかげ

かじわら〔かぢはら〕【×梶原】

歌舞伎で、梶原景時かげとき他人をおとしいれる悪人として扱われているところから》
意地の悪い人。
「―と火鉢の灰へ書いて見せ」〈柳多留・二〉
ゲジの俗称。
「御夜詰めに―が出て大さわぎ」〈柳多留・二四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「梶原」の意味・読み・例文・類語

かじわらかぢはら【梶原】

  1. ( 「かじはら」とも )
  2. [ 1 ]
    1. [ 一 ] 梶原景時をいう。
      1. [初出の実例]「さてまた中座の一番は、所司の別当梶原父子」(出典:謡曲・調伏曾我(1480頃))
    2. [ 二 ] 梶原景季をいう。
      1. [初出の実例]「梶原なんどが先陣を争う」(出典:土井本周易抄(1477)四)
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 梶原景時の故事から、意地悪な人、いやみな人をいう。
      1. [初出の実例]「梶原と火鉢の灰へ書て見せ」(出典:雑俳・柳多留‐二(1767))
    2. げじ(蚰蜒)」の異名
      1. [初出の実例]「長崎よりものぼるまたう人 耳のあか取梶はらではやるらし〈重安〉」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675)下)
      2. 「そりゃそりゃそりゃ・びしゃもんさまかかぢはらか」(出典:雑俳・削かけ(1713))

梶原の補助注記

[ 二 ]は梶原景時が義経を讒言した故事によるが、[ 二 ]には諸説があり、と同様の理由とも、梶原氏の矢筈紋の見立によるともいう。また、「和漢三才図会五四」によれば梶原景時が、讒言を将軍の耳に入れ害をなしたため、人々がゲジゲジにたとえてきらったのでこう呼ぶようになったともいい、「譬喩尽‐二」の「梶原を蚰(げじげじ)といふことは名乗なり景時々々(ゲジゲジ)」などからともいわれる。


かじわらかぢはら【梶原】

  1. 姓氏の一つ

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