古志田東遺跡(読み)ふるしだひがしいせき

日本歴史地名大系 「古志田東遺跡」の解説

古志田東遺跡
ふるしだひがしいせき

[現在地名]米沢市林泉寺一丁目

米沢市街南部、まつ(最上川の上流)が形成した扇状地末端にあり、標高二五八メートル。遺跡は東西八二メートル、南北六八メートルの範囲に広がる。この地に住宅団地が造成されることになり、米沢市教育委員会が平成一一・一二年度に発掘調査を実施。

中央部には主屋(母屋)と考えられる桁行一〇間、梁間三間(二三・八メートル×八・六メートル)、三面庇を備え、内部に間仕切りをもつ大規模な掘立柱建物跡があり、これを囲むように北側に三間四方、南側に五間と三間の各一棟、東側に六間と三間、三間と二間の二棟、西側に六間と二間、四間と一間の二棟の掘立柱建物跡がそれぞれ配置されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「古志田東遺跡」の解説

ふるしだひがしいせき【古志田東遺跡】


山形県米沢市林泉寺にある平安時代中期の居館跡。9世紀後半から10世紀前半、律令社会が変容し、郡衙(ぐんが)が衰退する時期に営まれた。東西・南北とも約100mの範囲に広がり、南から北へ流れる小河川跡に面した東岸に位置していた。1999年(平成11)、宅地造成に際して発掘調査が実施され、遺跡の内容が判明した。2000年(平成12)に国指定史跡となる。掘立柱建物7棟が確認され、杯や碗など食膳具の土器が出土している。また、「山田」「五万」「千万」「吉」「王」などの文字が墨書された土器も400点確認されている。各種の記録の跡が見える木簡も28点あり、木製品も椀、独楽(こま)、弓、黒漆塗り鐙(あぶみ)、鍬など多様なものが出土している。JR米坂線南米沢駅から徒歩約13分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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