古都ホイアン(読み)ことホイアン

世界遺産詳解 「古都ホイアン」の解説

ことホイアン【古都ホイアン】

1999年に登録されたベトナムの世界遺産(文化遺産)で、ダナンの南東24km、トゥーボン川の河口にあるクアンナム・ダナン省の港町。16~19世紀は海上交易の中継地であり、かつてヨーロッパ人たちはフェイホという旧名で呼んでいた。この町には中国やポルトガル、日本、フランスの商人が定住し、シルクや茶、コーヒー、カシューナッツなどの貿易をしていたことから、商人たちが住んだ住居は、彼らの故郷を偲ばせる建築様式をほぼ完全な状態で残している。日本人墓地や「日本橋」の別名を持つ屋根つきの来遠橋が残っており、当時は日本人町や中国人町もあったといわれ、伊万里焼磁器も発見されている。現在の町並みは18世紀後半以降のもので、ベトナム戦争時代に破壊されることもなかった。人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。◇英名はHoi An Ancient Town

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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