ダナン(その他表記)Da Nang

デジタル大辞泉 「ダナン」の意味・読み・例文・類語

ダ‐ナン(Da Nang)

ベトナム中部の都市。南シナ海に突き出た半島に囲まれたダナン湾奥に位置する。旧称トゥーラン。天然良港として知られ、古くから交易拠点となり、16世紀から17世紀にかけて日本人町がつくられた。ベトナム戦争時、米軍最大の基地があった。現在は中部最大の商都となり、付近では海岸保養地としての開発が進められている。

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共同通信ニュース用語解説 「ダナン」の解説

ダナン

ベトナム中部最大の商業都市。南シナ海に面する海岸の美しさで知られる国際的なリゾート都市で、日本からの観光客も多い。ベトナムが中国と領有権を争う南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島に近い軍事要衝としての役割もある。近郊には朱印船貿易時代の日本との交易拠点で、美しい町並みで知られる世界遺産ホイアンもあり、ダナンを拠点に観光を楽しむ人も多い。(ダナン共同)

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改訂新版 世界大百科事典 「ダナン」の意味・わかりやすい解説

ダナン
Da Nang

ベトナム中部の港市。人口45万9400(2004)。南シナ海に臨み,フランス植民地時代の旧名はトゥーラーヌTourane。フエ南東80kmに位置する。北のホンソンチャ岬,南のダナン半島とに抱かれたダナン湾の奥にある港で,カムレ川の河口にもあたる。古くからアンナン海岸の良港の一つとして知られ,フランスの中部ベトナム侵略に際してはまっさきに占領された港である(1858)。気候的には11~3月の北東モンスーン期はしのぎやすいが,あとの月は暑く,特に4~5月は酷暑となる。この辺はベトナム族の南下以前はチャム族の居住地であったため,市内にはその遺物を収集した博物館がある。また近世初期には朱印船で日本人も多く立ち寄り,郊外の五行山の寺院には当時ここを訪れた日本人の名も見られる。ダナンはその戦略的価値のためフランス植民地時代から軍港とされたが,ベトナム戦争に際してはアメリカ軍の一大基地と化し,市の人口も一時的に大きく膨張した。今はベトナム中部の主要商港の一つである。なお南方25kmのフェイフォは17世紀初めに日本人町が栄えた所として知られ,ダナンからは内陸水路で通じている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダナン」の意味・わかりやすい解説

ダナン
Da Nang

ベトナム中部,クアンナムダナン省の省都。首都ハノイの南南東約 600km,南シナ海沿岸の港湾都市。山がちな小半島によって囲まれた馬蹄形の湾の湾奥に位置する。古くから開けた港町で,日本の鎖国直前には日本人も往来し,日本人町もあった。 1858年フランス海軍が上陸し,植民地支配の第1歩を踏出したところで,フランス統治時代にはツーラン Touraneと呼ばれた。古都フエの南東約 90kmにあたり,1954年のジュネーブ協定により国土が南北に分断されてからは,境界地帯に近いフエに代って次第に重要性を増し,ベトナム戦争中にはアメリカ合衆国海軍の大規模な基地がおかれた。現在ベトナム中部最大の都市で,商工業中心地として発展しており,織物工場,ビール工場,発電所などがある。ハノイとホーチミン市を結ぶトンニャット鉄道,国道1号線が通り,整備された空港をもつ。北約 20kmには見晴らしのよいハイバン峠がある。人口 37万 670 (1989) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダナン」の意味・わかりやすい解説

ダナン
だなん
Danang

ベトナム中部の港湾都市。南シナ海に突出するトゥーラン岬に囲まれたダナン湾奥のカムレ川河口左岸に位置する。旧称トゥーランTourane。人口45万2700(2003推計)。16~17世紀には交易都市として知られ、日本の朱印船も往来し日本人町もつくられた。1787年、当時のアンナン王国からフランスに割譲され、以後軍港として発展した。ベトナム戦争中は南・北ベトナムの軍事境界線に近かったため、アメリカ軍の大軍事基地となり、人口が急増し、1974年には60万を数えた。現在はベトナム中部の主要商港の一つとなっている。国道1号線とハノイ―ホー・チ・ミン市間の鉄道が通じる。付近にはチャム人の遺跡が多く、チャム人の遺物を収集した博物館もある。

[菊池一雅]

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百科事典マイペディア 「ダナン」の意味・わかりやすい解説

ダナン

ベトナム中部,南シナ海岸の港湾都市。フエの南東約85kmにあり,フランス領時代の旧名トゥーラーヌTourane。南ベトナム最大の米軍補給基地があってベトナム戦争でしばしば戦禍をこうむった。16世紀のヨーロッパ人の来航以来貿易港として栄え,日本人町もあった。77万911人(2009)。
→関連項目南洋日本人町

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