召上げる(読み)メシアゲル

デジタル大辞泉 「召上げる」の意味・読み・例文・類語

めし‐あ・げる【召(し)上げる】

[動ガ下一][文]めしあ・ぐ[ガ下二]
官府主君所有物を取り上げる。「領地を―・げる」
貴人下位の人を呼び寄せる。召し出す。
「この歌は、まだ殿上許されざりける時に、―・げられて」〈古今・秋下・詞書〉
[類語](1押収没収接収収用収奪

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「召上げる」の意味・読み・例文・類語

めし‐あ・げる【召上】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]めしあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 貴人が目下の者を特別に呼び出す。召し出す。
    1. [初出の実例]「このうたは、まだ殿上ゆるされざりける時に、めしあげられて、つかうまつれるとなん」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二六九・左注)
  3. 官府や主君が所有物を取りあげる。また、権利・役職剥奪(はくだつ)する。没収する。
    1. [初出の実例]「召人に成し後は、武家被官の者共、悉所領を召上られ」(出典:太平記(14C後)一一)
    2. 「ヤクヲ mexiaguru(メシアグル)」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. お買いあげになる。お求めになる。
    1. [初出の実例]「しゃうばい人の事でござれば〈略〉ただめしあげらるる方へ参るよ」(出典:虎明本狂言・昆布売(室町末‐近世初))
  5. めしあがる(召上)
    1. [初出の実例]「有時夕御膳居まいらせて、あまた通ひ女下をかし行につねよりは心よくめしあげられて後」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)三)

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