召人(読み)メシュウド

デジタル大辞泉 「召人」の意味・読み・例文・類語

めしゅうど〔めしうど〕【人】

《「めしびと」の音変化。古くは「めしゅうと」》
宮中で行われる歌会始めの際、題にちなんだ和歌を詠むように特に選ばれた人。
和歌所寄人よりゅうどのこと。
舞楽などをするため召された人。
うち御神楽の―は」〈宇津保嵯峨院
そばで召し使う女性
「御―だちて仕うまつり馴れたる木工もくの君」〈真木柱

めし‐うど【召人】

めしゅうど

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「召人」の意味・読み・例文・類語

めしゅうどめしうど【召人・囚人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「めしゅうと」。「めしひと(召人)」の変化した語 )
  2. 和歌所の寄人(よりゅうど)異称
  3. 舞楽などをするために召し出された人。
    1. [初出の実例]「めしうと、楽所の人さぶらひて、いとおもしろし」(出典:天祿四年円融院・資子内親王乱碁歌合(973))
  4. 平安時代、貴族に仕えて、その貴族の御寝に侍したことのある女房
    1. [初出の実例]「うせ給ひぬる小野の宮のおとどの御めしうとどもあり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「めしうととか、憎げなる名のりする人どもなむ、数あまたきこゆる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)
  5. ( 「囚人」とも ) 捕えられて獄につながれている人。召し捕えられた人。しゅうじん。
    1. [初出の実例]「多年の召人にて、今日きらるべし今日きらるべしといひて十余年に及けれども」(出典:古今著聞集(1254)九)

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世界大百科事典(旧版)内の召人の言及

【寄人】より

…(1)平安時代以来,朝廷の官衙である記録所・御書所・和歌所,院文殿(いんのふどの),後院や,鎌倉幕府の公文所・政所・問注所,室町幕府の政所・問注所・侍所などにおかれた職員のこと。和歌所寄人は和歌の選定をつかさどり,召人(めしうど)と呼ばれたが,それ以外の寄人は事務能力に熟達したものが選ばれ,庶務,執事などを担当した。幕府関係の寄人は,問注所寄人が問注所公人(くにん)とも呼ばれたように,公人とも呼ばれた。…

※「召人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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