台ヶ原郷(読み)だいがはらごう

日本歴史地名大系 「台ヶ原郷」の解説

台ヶ原郷
だいがはらごう

現在の台ヶ原一帯に比定される中世の郷で、諏訪から甲斐への道の要衝である。天文八年(一五三九)六月「だいが原筋」から諏訪勢が、「わかみこすち」からは村上義清甲州へ攻め入った。村上勢へ向かった飯富兵部は「ねんば・のべ山」でこれを打破ったという(甲陽軍鑑)。同一七年四月三日、当時高遠たかとお(現長野県高遠町)にいた諏訪頼継は出府し、その夜台ヶ原に宿泊した(高白斎記)。永禄一一年(一五六八)七月一四日に定められた武田家伝馬口付銭掟書写(相州古文書)によれば、伝馬一疋の口付銭は甲斐府中より台ヶ原までが四〇文、台ヶ原から諏訪郡の蔦木つたき(現長野県富士見町)までが一五文となっている。天正一〇年(一五八二)武田氏を滅ぼし、遺領の国分けを終えた織田信長は、四月二日諏訪から「大ケ原」に陣を移した(信長公記・関八州古戦録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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