史学雑誌(読み)しがくざっし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「史学雑誌」の意味・わかりやすい解説

史学雑誌
しがくざっし

1889年(明治22)11月に創立された史学会の機関誌。同年12月に『史学会雑誌』の名で創刊され、1892年『史学雑誌』と改称。東京大学文科大学の史学科教師に1887年に招かれたドイツの歴史家L・リースの指導で発刊された。実証史学にたち、日本、東洋西洋にわたる歴史学発展の基礎となった。初期には、久米邦武(くめくにたけ)の「神道は祭天の古俗」や「太平記は史学に益なし」(ともに1891年)などの注目を浴びた論文がある。東京大学内に事務所を置き、現在に至る。月刊

[河内八郎 2018年9月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「史学雑誌」の意味・わかりやすい解説

史学雑誌 (しがくざっし)

日本の代表的な歴史研究の月刊専門誌。1889年に史学会の創立とともに創刊された。史学会は東京大学史学科を基盤とした学会であったため,同誌は官学アカデミズムの色彩が濃い。とくに京都大学史学科の誕生契機に東大アカデミズムの研究誌となり,日本の実証的な近代歴史学の形成に寄与してきた。現在は東京大学文学部に本部をもつ史学会によって編集され,山川出版社から刊行されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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