合・会(読み)あわせ

精選版 日本国語大辞典 「合・会」の意味・読み・例文・類語

あわせ あはせ【合・会】

〘名〙 (動詞「あわせる(合)」の連用形の名詞化)
① 物と物とを一つに重ねること。寄せてくっつけること。いっしょにすること。
日葡辞書(1603‐04)「ニマイ auaxeni(アワセニ) カミヲ コシラユル」
② 男女の性行為。男女の交合。
書紀(720)神代上(水戸本訓)「遂に合交(みアハセ)せむとす。而も其の術(はけ)を知らず」
③ 夫婦にすること。結婚。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)四「あはせの事ありて、同し里より、年かまへなる女房を持しに」
④ 戦わせること。対抗させること。また、比べて優劣を争うこと。物合わせ。「歌合わせ」「絵合わせ」「貝合わせ」などと熟して用いることが多い。〔十巻本和名抄(934頃)〕
玖波集(1356)雑体「鳥の二つぞ羽をかさねたる 鶯のあはせの声はこまかなれ〈二条良基〉」
⑤ (飯にとり合わせる食物の意。合子に盛ることから(花鳥余情)とも、合わせ混じえて調理するから(日本語源)ともいう) 副食物。おかず。あわせのみ。あわせもの。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「粥(かゆ)のれう、あはせ、いときよらに調じて」
※志不可起(1727)「あはせ 田舎にて膳(ぜん)の調菜(てうさい)を云」
⑥ 音、声、動きなどを、他のものの進行に調和させること。
邪宗門(1909)〈北原白秋〉外光と印象・青き光「幻燈の伴奏(アハセ)の進行曲(マアチ)
⑦ 釣りで、魚が餌にかかる瞬間に、針を口にうまくひっかけること。
⑧ (手札と場札とを合わせる意) 天正カルタなどで行なうばくち、または遊戯。めくって場の札と合わせ、同種のものがあれば取り、札数を多く取ったものを勝ちとする。
雍州府志(1684)七「賀留多〈略〉互所得之札合其紋之同者其紋無相同者負是謂(アハセ)
※談義本・華鳥百談(1748)四「よみの、あはせのとて、二月三月迄毎夜の遊び」
⑨ 「あわせやき(合焼)」の略。
※雑俳・柳多留‐一一六(1832)「腸をぬくさより合せにする積り」
⑩ 四〇文をいう、魚屋符丁
洒落本・卯地臭意(1783)「夕岸(ゆふかし)で、こら程な鰺(あぢ)が、あわせ(四十)程あった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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