合竹(読み)あいたけ

精選版 日本国語大辞典 「合竹」の意味・読み・例文・類語

あい‐たけあひ‥【合竹】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (しょう)奏法。六本、時には五本の管を同時に奏すること。がっちく。合管(ごうかん)
    1. [初出の実例]「徒らに、朽ち木の柳、時を得て、今ぞみ法(のり)に、合ひ竹の、直(すぐ)に導く彌陀の教へ」(出典謡曲遊行柳(1516頃))
  3. 楽器調子を合わせるために用いる笛。
    1. [初出の実例]「あひにあひたけしのだけの、竹に成たやしの竹に」(出典:浄瑠璃・世継曾我(1683)風流の舞)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合竹」の意味・わかりやすい解説

合竹
あいたけ

雅楽に用いる管楽器 (しょう) の演奏用語。笙の 17本の竹管のうち,6本あるいは5本を同時に発音させて,ある種の和音的効果を生み出す奏法。一竹吹 (いっちくぶき) に対する。合竹の名称や記譜は,最低の基音をもってなされ,乙の合竹,美の合竹などと称し,乙・美とのみ記される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の合竹の言及

【雅楽】より

…笛は現在,竜笛(りゆうてき),高麗笛,神楽笛の3種が用いられており,細かく装飾的な音の動きは篳篥と好一対をなす。笙はおもに管絃で使われ,〈合竹(あいたけ∥がつちく)〉という重音奏法に特徴がある。催馬楽,朗詠で用いるときには〈一竹(いつちく)〉または〈一本(一管)吹き〉といって,単音旋律を奏する。…

【管絃】より

…笙は17本の竹管を束ねた,ハーモニカやオルガンと同様のフリー・リード系の楽器である。管絃合奏においては主として6音あるいは5音から成る和音(合竹(あいたけ)という)を奏するが,この合竹は篳篥や横笛の奏する旋律の要所要所をなぞるように,並行してつけられる。管絃の弦楽器は旋律楽器としてではなく,曲のリズムを形づくることに役立っているが,このうち箏は,きまった音型を主体に演奏し,これによって一貫したビートを曲にあたえ,琵琶は,このリズムの区切れ目をきわだたせるようなアクセントを,アルペッジオや複音,あるいは単音で与えていく。…

【雅楽】より

…笛は現在,竜笛(りゆうてき),高麗笛,神楽笛の3種が用いられており,細かく装飾的な音の動きは篳篥と好一対をなす。笙はおもに管絃で使われ,〈合竹(あいたけ∥がつちく)〉という重音奏法に特徴がある。催馬楽,朗詠で用いるときには〈一竹(いつちく)〉または〈一本(一管)吹き〉といって,単音旋律を奏する。…

【笙】より

…各管には屛上(びようじよう)という切れ込み目と小さな指孔および簧がついている(ただし,17管中2管は無簧)が,指孔には音高を変える機能はなく,各管の音高は簧の長さと屛上の位置やリードにつけられるおもりの量によって決められる。各管は〈合竹〉という5~6音からなる独特の和音を奏するために,音高順には配列されていない。笙は雅楽の唐楽,催馬楽等に用いられるほか,近代・現代作品にも利用されている。…

※「合竹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android