日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉田耕造」の意味・わかりやすい解説
吉田耕造
よしだこうぞう
(1922―1978)
海洋物理学者。大阪府に生まれる。1944年(昭和19)東京大学理学部地球物理学科卒業。日高孝次(こうじ)のもとや、カリフォルニア大学スクリップス海洋研究所にあって海洋物理学の理論的研究に従事する。1961年(昭和36)東京大学教授。波浪、赤道海域における海流系や湧昇流(ゆうしょうりゅう)、北太平洋亜熱帯反流などの研究に卓抜した業績を残した。日本の海洋学の進むべき方向づけを広い国際的視野をもって行い、また多くの弟子を養成した。1968年には日本海洋学賞を受賞。アメリカの海洋物理学者ストンメルとはよき友人で共編の書『黒潮』Kuroshio, its physical aspects(1972・東京大学出版会)もあり、ともに世界的な海洋物理学の指導者である。
[半澤正男]