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湧昇 ユウショウ

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デジタル大辞泉の解説

ゆう‐しょう【湧昇】

海で、下層の低温の水が表層に上昇する現象。海底の栄養塩類を巻き上げるので、好漁場となる。ペルー沖・カリフォルニア沖・モロッコ沖などにみられる。

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海の事典の解説

湧昇

海洋中のゆるやかな上昇流を湧昇という。湧昇する水の速度は、高々一日に1m程度であるが、海洋の成層構造を変化させ、冷たい下層の水を表層にもたらし、 海況や周辺の気候に大きな影響を与える。また、下層の水は栄養塩に富んでいるため、湧昇域では生物生産が大きく、一般に好漁場をなしている。湧昇域は面積 は世界の海洋の0.1%に過ぎないが、その生産量は全海洋の約半分を占める。代表的な湧昇域は、カリフォルニアやペルー沖等の大洋の東岸(沿岸湧昇)およ び赤道域(赤道湧昇)にある。 (永田)

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうしょう【湧昇 upwelling】

海の深い所から表層に上昇してくる流れ。湧昇流とも上昇流ともいう。 海水の運動は海流としてよく知られるように,水平方向に卓越していて,鉛直方向の流れはきわめて微弱(たかだか1日に1m程度)であり,またその海域も限られている。図1は全世界の海洋における湧昇域(濃色部)を示したものであるが,全体の海洋表面積に占める割合はきわめて小さく,おもに沿岸と赤道域にしかないことが注目される。しかし,この湧昇海域において生産される漁獲量は世界のほぼ半分を占めており,人間の生活にはきわめて重要なかかわり合いをもっている。

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大辞林 第三版の解説

ゆうしょう【湧昇】

深層の海水が上昇して表層で発散する現象。それに伴って栄養塩類が運び上げられて生物の繁殖を助け、好漁場となる。カリフォルニア沖・ペルー沖などに発達する。湧昇流。上昇流。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

湧昇
ゆうしょう
upwelling

下層の海水が湧き上がってくる現象。大別して次の5種がある。
(1)沿岸湧昇 北半球では、風が海岸を左に見て吹くと、吹送流によって表層の海水は風下に向かって右、つまり沖合に運ばれる。そのあとを補充する形で下層の海水が湧き上がる。南半球では、風向きと吹送流の向きの関係が北半球とは逆になるので、風が海岸を右に見て吹くときに湧昇が起きる。
(2)赤道湧昇 赤道とその南北近傍では東寄りの貿易風が吹く。東風による吹送流によって表層海水は赤道の北側では北向きに、赤道の南側では南向きに運ばれる。その結果、赤道とその近傍での海水不足を補う形で下層の海水が湧き上がる。沿岸湧昇も赤道湧昇も上向きの速さは、風の強さなどによるが、いちおうの目安は1日に0.1~1メートルである。
(3)海岸や赤道から遠い場所での吹送流による湧昇 洋上の風の強さは場所によって異なるので、吹送流によって運ばれる表層海水量も場所によって変わる。その結果、ある場所には表層海水が集積(収束)し、別の場所では周りに散ってゆく(発散する)。発散域では下層の海水が湧き上がる。その速さは、風の強さと緯度によるが、沿岸湧昇や赤道湧昇よりも遅くて、1日に1センチメートルくらいである。
(4)深層の湧昇 前記(1)~(3)の3種は数十メートルないし200~300メートルの深さからの湧昇であるが、深層の湧昇は、だいたい1000メートルよりも深いところから起きる。表層海水が海底近くまで沈み込む所は、北大西洋北部と南極海(とくにウェッデル海)などに限られている。沈降した海水は世界中の深海に広がりながら上向きにも動いて、数百年、数千年ののちに再び表層に浮かび上がる。上向きの速さの目安は、沈降する海水量を全海洋の面積で割れば得られる。1日に1センチメートルくらいである。
(5)小規模の局所湧昇 海底が突起して山となっていると湧昇が起きることがある。小さな海山をつくり、人工湧昇を起こして生物生産性を高めることは試みられている。また、島の風下側でも湧昇が起きることがある。[高野健三]

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世界大百科事典内の湧昇の言及

【インド洋】より

…水深約4000m以浅の海嶺上では,石灰質の殻を分泌するプランクトンの遺骸より成る石灰質軟泥が発達するが,深い海盆部では石灰質が溶解するため褐色粘土ケイ質軟泥が卓越する。同じようにケイ質軟泥とはいえ,南緯5゜を中心に分布するものは赤道海流と反流の間で生じる湧昇流に基づくプランクトン大発生帯によるもので,放散虫の殻を主成分とする。南極収束線もプランクトン大発生地帯(南緯60゜を中心)でケイ質軟泥が発達するが,こちらはケイ藻の殻を多量に含む。…

【発散】より

…∂w/∂zは鉛直方向の流速こう配であるから,水平発散は上昇流や下降流と密接に結びついている。例えば,海面のある場所で発散があれば,そこでは下のほうから海水が上昇していることを示している(これを湧昇という)。逆にある場所に海水が集まって収束があれば,そこでは海水の沈降が起こる。…

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