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波浪 はろう ocean waves; waves of the sea

7件 の用語解説(波浪の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

波浪
はろう
ocean waves; waves of the sea

海上あるいは海岸で目にする,比較的周期の短い海表面の攪乱。周期が 0.1秒以下,波長が 1.7cm 以下のさざ波からうねり津波高潮潮汐波のような数分から数時間の周期をもつ波までを含む。

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デジタル大辞泉の解説

は‐ろう〔‐ラウ〕【波浪】

水面に起きる表面波。風浪うねり磯波の総称。なみ。

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百科事典マイペディアの解説

波浪【はろう】

水面に起こる波の総称。海洋学では風浪うねりと,それらの変形である磯波に大別して扱っている。

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海の事典の解説

波浪

風によって海洋の表面に起こる諸種の波、風浪・うねり・磯波をひっくるめて言う場合に使われる言葉である。それぞれについては、各項目を参照されたい。 (永田)

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世界大百科事典 第2版の解説

はろう【波浪 ocean waves】

水面波のなかで,海面,湖面などに日常みられる風浪,うねり,およびそれらが岸近くの浅海で変形した磯波を総称して波浪という。すなわち波浪は,おもに風の力が原因となって生成される周期や波長の短い水面波で,潮汐津波高潮などの波とは,周期や波長,成因などの点から区別される。
[波浪の記述法と特性]
 水面波は波高,周期(またはその逆数の周波数),波長(またはその逆数の波数),波速(位相速度)および波向(伝播方向)の各要素でその状態を記述することができる。

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大辞林 第三版の解説

はろう【波浪】

海面・湖面の波の動き。風浪・うねり・磯波の総称。なみ。 「 -注意報」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

波浪
はろう

風が海面を吹くときに生じる風浪と、ある海域で発生した風浪が風のない離れた海域に伝わったうねり、およびその両者の海岸付近における変形である磯波(いそなみ)の総称。
 海洋にはさまざまな波動現象がみられる。太陽・月の引力によって生じる潮汐(ちょうせき)、湾内の水が振動するセイシュ(静振)、地震に伴う津波なども海洋にみられる波動である。波浪は風によって引き起こされた重力波で、通常、約1秒から約30秒の周期をもっている。[桜井邦雄・三河哲也]

波浪の発生と消滅

静かな海面に風が吹き始めると、最初は表面張力波とよばれるさざ波が生じる。さらに風が吹き続くと、しだいに大きな波が現れるようになる。このように、その海域で吹いている風によって生成された波を風浪という。風速が変化しなければ、波は無制限に大きくなるわけではなく、その風速に応じたある一定の状態に近づいていく。岸から十分離れた海域で長時間風が吹き続いた場合の波高(波の山から谷までの高さ)の目安は、
  〔波高(m)〕=0.03×〔風速(m/s)〕2
で与えられる。現在報告されているもっとも大きな波高は、1933年アメリカの軍艦ラマポ号が北太平洋で観測した34メートルという値である。
 このようにして発生、発達した波は、風の吹いていない海域にも伝わっていく。波のうちでも周期の短い成分波は、水の粘性や逆風による抵抗で急速にエネルギーを失うが、長い周期をもった波は、ほとんど減衰せず数千キロメートルを伝わることもある。風場(風の吹いている海域)を離れて伝わっていく波や、風がやんだのちに残っている波をうねりという。やがて沿岸部に到達した波浪は、砕波したり、反射の過程で大部分のエネルギーを失って消滅する。[桜井邦雄・三河哲也]

波浪の要素と性質

実際の海面は複雑な起伏をもっているが、理解しやすいように正弦波を考える(図A)。水面のもっとも高くなったところを波の峰(波の山)、低くなったところを波の谷とよぶ。隣り合った峰と峰の間隔を波長(L)、峰と谷の高度差を波高(H)とよぶ。波が進んでくる方向を波向、波の峰(または谷)の移動する見かけの速さを波の位相速度(c)という。また、ある点を一つの峰が通過し次の峰がくるまでの時間を周期(T)という。このほか、波の険しさを表すために波形勾配(こうばい)H/L)という値も用いられる。
 波高が波長に比べて十分小さいという仮定のもとでは、位相速度と波長の間に次の関係が成立する。hは水深、は重力加速度である。
  c2=(L/2π)tanh(2πh/L)
 水深が波長に比べて十分大きい場合は深海波とよばれ、周期と波長の間に
  〔波長(m)〕=1.56×〔周期(s)〕2
という簡単な関係が成立する。これは、周期が異なる波は位相速度が異なるということを示しており、このような性質を分散性とよぶ。一方、水深が波長に比べて小さい場合は浅海波とよばれ、

という関係が得られる。
 これらの関係からもわかるように、沖合いの波が水深の小さい所に伝わってくると波速が変化する。等水深線に斜めに波が侵入してくる場合、進行方向が変わる屈折現象がみられる。沖合いでは、日によって波の向きが異なっても、沿岸部ではほぼ海岸線に平行に波が打ち寄せるようにみえるのは屈折のためである。
 水深が大きい場合、波に伴って水の粒子は波の進行方向に沿った平面内を円運動する。しかし、水深が深くなると、水粒子の運動は急速に小さくなる。波に伴って水圧も変化するが、水粒子の運動と同様、水深とともにその変化量は急激に減少し、波長の半分より深い所には、波に伴う水圧変動はほとんど及ばない。波は、その波高の二乗に比例したエネルギーをもっており、深海波の場合、位相速度の半分の速さでエネルギーが伝わる。[桜井邦雄・三河哲也]

波浪の統計的性質

実際の海の波浪は、簡単な正弦波とは異なり、はるかに複雑で不規則である(図B)。このような波浪の状態を表現するためには、なんらかの統計処理が必要である。いま、ある1点で海面の昇降を連続的に測定し、図Cのような波形記録が得られたとする。一つ一つの波を図のように定義すると、波高、周期の一連の組をつくることができる。これらの波高および周期の平均値を平均波高、平均周期という。また、波高の大きいものから順に全体の3分の1の波について平均を求めたものを3分の1最大波の波高、周期とよび、有義波高、有義波周期ともよばれる。同様に10分の1最大波なども定義され、有義波高を1とするとき、次のような関係があることが知られている。
  平均波高0.63
  10分の1最大波高1.27
  100分の1最大波高1.61
  1000分の1最大波高1.94[桜井邦雄・三河哲也]

波浪のスペクトル

有義波による波の記述では、風浪とうねりが混在していたり、異なる方向からの波が重なったような複雑な海面の特徴を十分に記述することはできない。複雑な海面の起伏を、図Dのように、さまざまな方向に伝わる、いろいろな周期をもった正弦波の重ね合わせと考え、おのおのの成分波のもつエネルギーを、その伝わる方向、周波数の関数として表現したものを波浪の方向スペクトルとよぶ。また、波の向きは考えずに、成分波のエネルギーを周波数の関数として表示したものを周波数スペクトルとよぶ。図Eは方向スペクトルの観測例で、東南東の方向からくる周期14秒前後の成分波のエネルギーが大きいことを示している。また図Fは周波数スペクトルの一例で、周期9秒程度の波(おそらくうねりである)と6秒程度の風浪が混在していることがわかる。[桜井邦雄・三河哲也]

波浪の観測

外洋を航行する大部分の船舶では、目視によって波浪観測が行われている。この方法は個人差や錯覚などの誤差を含むが、経験を積めば、ある程度の精度で観測することができる。目視観測の歴史は古く、資料の蓄積も豊富で、これに基づいた外洋の波浪の統計は、船舶の航路選定などに大きく貢献している。
 海岸工学、船舶工学、波浪理論の発達や、波浪予報精度向上のためには、目視観測では不十分で、計測器を用いた客観的かつ高精度の観測が必要とされる。波浪は、海面の起伏が時間的にも空間的にも複雑に変化する現象であるので、計器観測のなかでも、目的に応じて多様な方法が用いられる。
 ある1点における海面の昇降の時間変化を測定するという方法がもっとも広く行われている。沿岸部では、波に伴う水圧の変化を海底に設置した水圧計で検出して海面の昇降に換算する方法や、海底から海面に向けて超音波を発射して海面までの距離を測定する方法などがある。これらの観測では波高、周期や周波数スペクトルを求めることができる。また、超音波のドップラー効果を応用して海中の粒子運動を測定することにより波の向きや方向スペクトルを求める方法も実用化されている。沖合いの水深の大きい場所では固定点を得ることができないので、波面に追随するブイ(浮標(ふひょう))の上下運動を加速度計で検出する方法、船体に取り付けた水圧計やマイクロ波センサーで船と海面の相対的な変位を検出し、船体の動揺を加速度計で測定し、両者を合成して波浪を計測する方法などによって波高や周期が観測できる。上下方向のほか東西・南北方向の加速度を測定して波の向きを求めるブイなどもある。
 人工衛星からのリモート・センシング(遠隔探査)による波浪観測として、衛星から海面に向けて電波を発射し、海面で反射される際の信号の変化から有義波高を求める方法や、高分解能の画像を解析することにより方向スペクトルを求める方法が実用化されている。このほか、陸上のレーダーを用いて波浪を観測する方法もある。これらのリモート・センシングによる波浪観測では、広い海域について波浪情報が入手できるという利点がある。[桜井邦雄・三河哲也]

波浪予報

波浪予報の基礎は第二次世界大戦中に築かれ、1944年6月の連合軍のノルマンディー上陸作戦などで重要な役割を果たした。現在では、外洋および沿岸を航行する船舶の安全運航や経済運航、漁船の安全操業、沿岸域の各種工事・作業やレジャー活動などに波浪予報は不可欠のものとなっている。
 波浪を予報するためには、まず風の予想値を知ることが必要である(図G)。これには、天気予報に用いられる大気の力学的な数値予報の結果を用いて計算する方法がおもに用いられる。海上風の予想値が得られれば、波浪の発達と減衰を計算すると同時に、波浪の伝わり方を計算して予想値を算出する。
 風の予想値から波浪を計算する方法は、有義波法とスペクトル法に大別される。有義波法は、波浪の状態を有義波高・有義波周期で表現し、風速・吹走(すいそう)距離・吹続(すいぞく)時間と波高・周期の間の経験的な関係式を用いて波浪の状態を予測するものである。風浪とうねりの混在するような状態や、風が急激に変化したり、複雑な分布を示す場合には適当でないが、スペクトル法に比べて簡便であるので現在も広く用いられている。スペクトル法は、海面をさまざまな方向に伝わる、いろいろな周期をもった成分波の重ね合わせとして波浪を表現し、個々の成分波ごとに伝播(でんぱ)や風とのエネルギーの授受などを計算する方法である。有義波法に比べて複雑で計算量が多く、スーパーコンピュータなどの高速な電子計算機が不可欠であるが、物理的な意味も明快で、複雑な海面の状態も表現することができる。
 波浪予報は、世界各国の気象機関によって実施されている。日本でも気象庁が北西太平洋や日本沿岸の波浪実況図および24時間予想図のファクシミリ放送を行っており、さらに、予想に用いたスペクトル法による数値波浪予報の結果を数値データの形で情報提供している。[桜井邦雄・三河哲也]
『淵秀隆・松本次男・斎藤晃著『海の波――防災と経済運航』(1976・地人書館) ▽光易恒著『海の波――その特性と推算』(1977・海洋出版) ▽岩垣雄一著『最新 海岸工学』(1987・森北出版) ▽磯崎一郎著『波浪概論――解析と推算』(1990・日本気象協会) ▽鳥羽良明編『大気・海洋の相互作用』(1996・東京大学出版会) ▽合田良実著『海岸・港湾』2訂版(1998・彰国社) ▽磯崎一郎・鈴木靖著『波浪の解析と予報』(1999・東海大学出版会) ▽酒井哲郎著『海岸工学入門』(2001・森北出版) ▽合田良実監修『波を計る(沿岸波浪観測の手引き)』(2001・沿岸開発技術研究センター) ▽土木学会海岸工学委員会研究現況レビュー小委員会編『新しい波浪算定法とこれからの海域施設の設計法――性能設計法の確立に向けて』(2001・土木学会、丸善発売) ▽東京都港湾局港湾整備部技術管理課編『東京港波浪観測30年報』(2002・東京都港湾局) ▽平山秀夫・辻本剛三・島田富美男・本田尚正著『海岸工学』(2003・コロナ社)』

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世界大百科事典内の波浪の言及

【海岸】より

…海洋に面する陸地のうち,波浪や潮汐などの影響を直接受ける幅の狭い帯状の地域。陸地と海洋の境界領域として独特の地理的・生態的環境をなす。…

※「波浪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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