吉首(読み)きっしゅ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉首」の意味・わかりやすい解説

吉首
きっしゅ / チーショウ

中国、湖南(こなん)省湘西(しょうせい)トゥチャ族(土家族)ミャオ族(苗(びょう)族)自治州にある県級市。同自治州政府所在地。人口31万(2014)。沅江(げんこう)の支流武水上流にあり、焦柳線(焦作(しょうさく)―柳州(りゅうしゅう))に沿う。漢代の五渓蛮(ごけいばん)とよばれる民族の住地とされる。唐代には錦州に属したが、のちふたたびミャオ族のうち紅苗の拠点になった。明(みん)代に乾州哨(しょう)が設置され、清(しん)代に乾州直隷庁となり、紅苗115寨(さい)を管轄した。辛亥(しんがい)革命後乾県と改名、1914年乾城県、1953年吉首県と改称、1982年吉首市となった。

 米、トウモロコシ、サツマイモを主作物とする山村で、桐油(きりゆ)、椿油(つばきあぶら)、柑橘(かんきつ)類、用材、薬草類(五倍子(ごばいし)、付子(ふし)など)の林産物が多い。鉱物資源が豊富であり、マンガンの埋蔵量は国内有数である。

[河野通博・編集部 2016年12月12日]

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百科事典マイペディア 「吉首」の意味・わかりやすい解説

吉首【きつしゅ】

中国,湖南省西部の都市。武水上流にあり,焦柳鉄路(焦作〜柳州)が通る。湘西トゥチャ(土家)族ミヤオ(苗)族自治州の州都漢族のほか,ミヤオ族トゥチャ族回族などが住んでいる。1953年乾城県を吉首県に改称。1982年県を廃して市を設置した。紡織製紙マッチや,少数民族の銀の装飾品などの製造業が盛んで,石炭,鉛,亜鉛,鉄などの鉱物資源を産す。〈湘泉酒〉が有名。31万人(2014)。

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