同じ穴の狢(読み)オナジアナノムジナ

デジタル大辞泉 「同じ穴の狢」の意味・読み・例文・類語

おなあなむじな

一見関係がないようでも実は同類仲間であることのたとえ。多く悪事を働く者についていう。同じ穴のたぬききつね)。一つ穴のむじな。

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故事成語を知る辞典 「同じ穴の狢」の解説

同じ穴の貉

一見、違うように見えても、実は同じようなことをしている悪者たちを指すことば。

[使用例] 奴らと同じ穴のムジナである政治家なども一刀両断で抹殺せねばならぬ[高見順*いやな感じ|1960~63]

[由来] 「漢書よううん伝」のエピソードから。紀元前一世紀、前漢王朝の時代のこと。中国の北方で暮らしていた異民族、きょうから降伏してきた者が、楊惲という官僚に、匈奴の王が殺されたという話をしました。すると楊惲は、「昔、しん王朝の暴君家臣を苦しめた挙げ句に滅んでしまったのと同じだ。『古と今と、いっきゅうの貉の如し(昔の暴君と今の異民族の王は、一つの山に住んでいるムジナのようなものだ)』」と述べたということです。これが、日本では「同じ穴の貉」の形で用いられています。なお、「貉」とは、タヌキアナグマのことです。

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ことわざを知る辞典 「同じ穴の狢」の解説

同じ穴の狢

同じ穴に棲む狢。一見別なように見えても、実は同類であることのたとえ。基本的に否定的な意味で使う。

[使用例] 叔父さんとポローニヤスは、はじめから同じ穴の狢だったのさ。どうして僕は、こんなわかり切ったことに気がつかなかったのだろう[太宰治*新ハムレット|1941]

[解説] 「狢」は広く東国で狸のことをいいます。古くは「同じ穴の狐」の形が多く、近代になると「狢」の用例が多くなります。

〔異形〕同じ穴の狐

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