呼吸根(読み)コキュウコン

デジタル大辞泉 「呼吸根」の意味・読み・例文・類語

こきゅう‐こん〔コキフ‐〕【呼吸根】

植物の根で、空中に出て呼吸をしているもの。酸素の乏しい泥中水中に生育する植物にみられ、通気組織などの構造をもつ。ミズキンバイマングローブなどに発達する。

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精選版 日本国語大辞典 「呼吸根」の意味・読み・例文・類語

こきゅう‐こんコキフ‥【呼吸根】

  1. 〘 名詞 〙 植物の根の一種で、通気組織など、呼吸が行なえる構造を備えたもの。酸素の乏しい泥中や水中に生育する植物に発達し、ミズキンバイ、マングローブなどにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「呼吸根」の意味・わかりやすい解説

呼吸根
こきゅうこん

マングローブや湿地の植物が、呼吸に要するガス交換のために泥の上または水面上に出した根で、気根(きこん)の一種。皮層などは細胞間隙(かんげき)がとくに大きな通気組織となる。二次肥大した根はコルク組織に包まれるが、多く皮目をつくる。

[西野栄正]


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世界大百科事典(旧版)内の呼吸根の言及

【根】より

…カワゴケソウ科の1種のように,葉が退化してなくなり,根が扁平で葉のような姿をとって同化器官になるものもあるが,葉や茎が同化をするうえに,根も空気中でわずかながら同化するというものも多い。気根のうち通気のために特別の構造をもつようになったものが呼吸根respiratory rootで,皮層に細胞間隙がよく発達したものなどがある。 イワヒバ科やミズニラ科には担根体rhizophoreとよばれる特殊な構造があり,根の変形とみられたり,茎の変形とみられたりする。…

※「呼吸根」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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