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細胞間隙 さいぼうかんげきintercellular space

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

細胞間隙
さいぼうかんげき
intercellular space

組織において,細胞と細胞との間に自然に生じる間隙。一般に若い細胞から成る組織では,おのおのの細胞が充実していて,間隙は認めがたい。組織が成長するに従って間隙を生じ,あるものはさらに互いにつながって腔となる。間隙は植物柔組織でよくみられ,ときに組織全体が海綿状になる。また特に破生細胞間隙と称して,組織が生長の間に一部の細胞が破壊して間隙をつくるものがあるが,その場合間隙内に空気を含んで通道組織となり,またあるときは分泌した粘液,脂肪などが入り,分泌組織となる。細胞間隙によって斑入りが生じることもある。

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デジタル大辞泉の解説

さいぼう‐かんげき〔サイバウ‐〕【細胞間隙】

植物の組織を構成する細胞と細胞との間に、成長に伴ってできるすきま。葉の海綿状組織水生植物葉柄通気組織などにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

細胞間隙
さいぼうかんげき

植物の組織を構成する細胞と細胞との間に存在する空隙(くうげき)をいい、通常は空気を満たしている。分裂組織のように未分化の組織では多面体状の細胞が互いにすきまなく密着しているのが普通で、このような空隙はみられない。一般に細胞は成長・成熟するにしたがって膨らみ、丸みを帯びてくるが、そのために、まず角(かど)の部分で隣接細胞との間で細胞が互いに離れてすきまが生ずる。このすきまがしだいに広がって細胞間隙となる。このようにしてできる細胞間隙を離生細胞間隙とよぶ。成熟した柔組織では多少ともこうした離生細胞間隙があるが、とくに葉の海綿状組織や水生植物の茎や葉柄ではよく発達して空気の通路となっている。いわゆる通気組織とよばれるのがこれである。細胞間隙には組織の一部が破壊または溶失してできる場合があり、これを破生細胞間隙という。イネ科植物の茎の髄腔(ずいこう)や根の皮層に生ずる細胞間隙はその例である。なお、破生細胞間隙の内部に油滴、樹脂、ゴム質などを含むことがあるが、この場合は一種の分泌組織となる。[相馬研吾]

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世界大百科事典内の細胞間隙の言及

【組織】より

…永久組織のうちでは,柔組織や厚角組織,厚壁組織(繊維組織を含む)などが典型的なもので,種子植物の葉の柔組織に柵状組織と海綿状組織の分化がみられるなど,形態的にも機能的にも多様な組織の分化がみられる。組織そのものではないが,組織の間にあって重要な形態的単位として細胞間隙(かんげき)がある。【岩槻 邦男】。…

※「細胞間隙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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