精選版 日本国語大辞典「唐撫子」の解説
から‐なでしこ【唐撫子】
〘名〙
① 植物「せきちく(石竹)」の異名。《季・夏》
※枕(10C終)一九二「こちたう赤き薄様をからなでしこのいみじう咲きたるに結びつけて、とり入れたるこそ」
② 襲(かさね)の色目。表裏ともに紅色。一説に、表は紫、裏は紅ともいう。夏に着用する。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「からなでしこの唐綾の袿(うちぎ)一かさね」
③ (古来、かわいらしい女の子をナデシコになぞらえるところから) 唐子(からこ)①のような服装または髪型をした女の子をいうか。
※俳諧・梅翁宗因発句集(1781)追加「黄檗山にて 親なしか唐撫子のちょっこちょこと」
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