日本歴史地名大系 「善城寺跡」の解説 善城寺跡ぜんじようじあと 奈良県:奈良市奈良町奈良坂町・奈良坂村善城寺跡[現在地名]奈良市奈良阪町奈良坂(般若寺越)の頂部にあったが、現存しない。ヨシキデラとも読み、禅定(ぜんじよう)寺(大和名所図会)とも記す。山号は北明山。延宝六年(一六七八)の「八重桜」に「般若寺を北へ行奈良坂といふところの西側の草堂是なり、本此寺東大寺のいのゐの一院にしていにしへは大寺なりしかいつの頃よりかかやうに零落せり、本尊は阿弥陀釈迦薬師の三尊にて雲慶康慶両作なり、今一体のやくしは春日仏師稽文会か作なり」とある。寺跡は現奈良豆比古(ならづひこ)神社の境内で、「大和名所図会」に当寺の様子を描く。集落の西方、約一キロの奈良山の尾根上(現奈良ドリームランド敷地北方)に善城寺谷(ぜんじようじだに)の小字があるので、当初はその地に創建され、のち京都街道に面した現在地に移されたものと推察される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by