善巧方便(読み)ゼンギョウホウベン

デジタル大辞泉 「善巧方便」の意味・読み・例文・類語

ぜんぎょう‐ほうべん〔ゼンゲウハウベン〕【善巧方便】

仏語。臨機応変に、巧みに手だてを講じて人を導くこと。また、その方法

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精選版 日本国語大辞典 「善巧方便」の意味・読み・例文・類語

ぜんぎょう‐ほうべんゼンゲウハウベン【善巧方便】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。仏菩薩衆生を救うにあたって、相手素質性格に応じた方法を巧みに用いて教化すること。機に応じて、いろいろの手段をとること。また、そのような手段。ぜんこうほうべん。
    1. [初出の実例]「我れに一つの善巧方便(ゼンゲウハウベン)を授け給ふに依って、無始の煩悩忽に除滅し」(出典:栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上)

ぜんこう‐ほうべんゼンカウハウベン【善巧方便】

  1. 〘 名詞 〙ぜんぎょうほうべん(善巧方便)
    1. [初出の実例]「善巧(ゼンコウ)方便とて、説おかせ給ふなる、仏の書(ふみ)にも有がたき」(出典:読本南総里見八犬伝(1814‐42)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「善巧方便」の意味・わかりやすい解説

善巧方便
ぜんぎょうほうべん

仏教用語。衆生を救うために,衆生の機根 (素質) に応じて種々の方便を用いること。

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世界大百科事典(旧版)内の善巧方便の言及

【方便】より

…一般的には〈方法〉〈巧みなてだて〉ということ。ただし,仏教で方便を用いる場合は基本的に,すぐれた教化(きようけ)方法,サンスクリットのupāya‐kauśalya(善巧方便)ということであり,衆生を真実の教えに導くためにかりに設けた教えの意味である。経典・論釈のみならず,文学作品などに用いられる場合,微妙な意味の変化がみられるが,基本の意味をふまえることによって理解できよう。…

※「善巧方便」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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