喉仏(読み)ノドボトケ

精選版 日本国語大辞典 「喉仏」の意味・読み・例文・類語

のど‐ぼとけ【喉仏】

  1. 〘 名詞 〙 喉の中間にある甲状軟骨の突出した所。成年男子に顕著に見られる。のどの仏様。喉仏様。
    1. [初出の実例]「結喉と云ふ物で、俗にのど仏とか云って」(出典:志都の岩屋講本(1811)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

家庭医学館 「喉仏」の解説

のどぼとけ

 おとなの男性ののどの前面にある出っ張りをのどぼとけといいます。正式な名前喉頭隆起(こうとうりゅうき)といい、甲状軟骨(こうじょうなんこつ)が張り出しているのです。
 キリスト教を信じる人々は、のどぼとけのことを「アダムのリンゴ」と呼んでいます。
 これは、聖書に記載されているアダムとイブの話に由来しています。
 アダムは、リンゴを食べることを神様から禁じられていました。ところがある日、誘惑に負けてリンゴを食べてしまったのです。
 これを神様に見つかり、リンゴをあわてて飲み込んだところ、のどにひっかかってしまいました。
 このリンゴが、のどぼとけになったというのです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の喉仏の言及

【首∥頸】より

…頸の前面には中央より少し上方に喉頭隆起という突出があり,喉頭の甲状軟骨によるとび出しである。これが〈のどぼとけ〉で,また〈アダムのリンゴ〉ともいうが,それはリンゴを取ったアダムが神に見つけられ,口にほうりこんだところ,のどにひっかかってふくれ出したのだとの伝説による。喉頭隆起は,子どもや女ではあまりとび出していない。…

【喉頭】より


[喉頭の軟骨]
 最外郭をかたどり,全体を保護している楯状の軟骨を甲状軟骨といい,翼状の左板と右板とからなり,両者は前方で接合して突起をつくる。この喉頭隆起が俗に〈のどぼとけ〉といわれ,また〈アダムのリンゴAdam’s apple〉と呼ばれるものである。この下方にあり,それに次いで大きいのが輪状軟骨であり,印章を刻した指輪に似た形をしている。…

【のど(喉)】より

…喉頭の前面は盾のような甲状軟骨で守られ,手でこれに触れることができる。この軟骨の上端正中部は成人男子では大きく突出して〈のどぼとけ〉をなしている。〈アダムのリンゴ〉ともいうが,これは禁断の木の実(リンゴ)を口にしたアダムが神からとがめられて驚いたため,果実の半分がのどにひっかかって膨れ上がったのだという説話に基づく。…

※「喉仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android