喚鐘(読み)カンショウ

デジタル大辞泉 「喚鐘」の意味・読み・例文・類語

かん‐しょう〔クワン‐〕【喚鐘】

勤行ごんぎょう法会ほうえなどの開始を報じる小形の梵鐘ぼんしょう半鐘
茶の湯で、用意が整って客に入室合図するために鳴らす鐘。

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精選版 日本国語大辞典 「喚鐘」の意味・読み・例文・類語

かん‐しょうクヮン‥【喚鐘】

  1. 〘 名詞 〙 法会の開始などを報じて衆を呼び集める小さな鐘。後に、茶の湯、火事のときなどにも用いた。半鐘。小鐘。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「上には喚鐘にて候はず共、つり香炉なども可然候」(出典君台観左右帳記(1511))

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改訂新版 世界大百科事典 「喚鐘」の意味・わかりやすい解説

喚鐘 (かんしょう)

半鐘(はんしよう),小鐘(しようしよう),報鐘(ばうちよん),犍稚(けんち)ともいい,仏教で用いる鳴物楽器)の一種。青銅鋳造製で梵鐘の小型のもの。寺院の堂内や軒下につり,片手木槌をもって鐘身の中ほどにある撞座(つきざ)をつき音を出す。喚鐘の〈喚〉が示すように,僧侶らを集合させたり,儀式の開始などの合図のために打ち鳴らす場合が多い。なお喚鐘にはより小型の鐘を木製の架にかけ,床に据え置いて用いるものもある。
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