…概観すれば,〈句→節→小段→段→場→能一番〉という構造になるが,このうちもっとも重要な構造単位が小段(しようだん)である。小段には,謡が中心となる謡事(うたいごと)の小段と,囃子のみで演奏される囃子事の小段がある。その種類の数は,どこまで細かく分類するかで変わってくるが,おおまかにとらえると,謡事,囃子事それぞれに約50種が見られる。…
… 囃子の奏法には,明確なリズムにのって奏する〈合ワセル奏法〉(合ワセ吹キ,合ワセ打チ)と,リズム感を際立たせずに一定の範囲で自由に奏する〈アシライノ奏法〉(アシライ吹キ,アシライ打チ)とがある。笛の合ワセ吹キは囃子事だけに用いられる奏法で,並拍子,渡り拍子,混合拍子の三つのリズム型がある。並拍子は毎句第2拍ないし2拍半から吹き出すのを基準とするリズム型で,ほとんどの囃子事に用いられる。…
※「囃子事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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