四十九院(読み)シジュウクイン

デジタル大辞泉 「四十九院」の意味・読み・例文・類語

しじゅうく‐いん〔シジフクヰン〕【四十九院】

弥勒菩薩みろくぼさつのいる兜率天とそつてん内院にある49の宮殿
行基畿内に建てたという49の寺院
平安時代、一つの寺院の境内に設けた49堂宇
鎌倉時代以後、墳墓前面に6基、左右に各14基、後面に15基の塔婆を建てたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「四十九院」の意味・読み・例文・類語

しじゅうく‐いんシジフヰン【四十九院】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 彌勒菩薩居所兜率天(とそつてん)の内院にある四九の宮殿。
    1. [初出の実例]「金(かね)御嶽は四十九院の地なり、媼(をうな)は百日千日は見しかど得領(し)り給はず」(出典梁塵秘抄(1179頃)二)
  3. 行基が畿内に建てたという四九の寺院。
    1. [初出の実例]「一向大乗寺此間亦有、謂行基僧正四十九院」(出典:顕戒論(820)上)
  4. 平安時代、ひとつの寺院の境内に、に模して設けた堂宇。
  5. 鎌倉以後、墳墓の前面に六基、左右に各一四基、後面に一五基、合わせて四九基の塔婆を建てたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の四十九院の言及

【行基】より

…行基が741年(天平13)までに河内,和泉,摂津,山背(城)国などに造った池15,溝7,堀4,樋3,道1,港2,布施屋(ふせや)(調庸運脚夫や役民(えきみん)を宿泊させ食料を与える)9などの農業・交通関係施設の位置と規模が〈天平十三年記〉(《行基年譜》所引)に記される。 《行基年譜》(1175,泉高父宿禰著)には彼が745年ころまでに畿内に開いたいわゆる四十九院の寺の位置と建立年代が記され,これも庶民の信者の寄進や協力で造られた。四十九院は社会事業施設と結合しており,たとえば狭山池院(大阪府南河内郡狭山町)には狭山池,昆陽(こや)施院(昆陽寺。…

※「四十九院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android