後面(読み)コウメン

百科事典マイペディアの解説

後面【うしろめん】

日本舞踊後頭部にも面をつけ,前後で別な人物が踊っているように見せかける技巧。享保ころ大坂の佐渡島長五郎狂言の〈釣狐〉を所作化して白蔵主(はくぞうす)と狐で踊ったのがはじめ。曲としては《後面》(柳雛諸鳥囀(やなぎにひなしょちょうのさえずり))と《粂の仙人》(後面萩玉川)がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

うしろめん【後面】

歌舞伎舞踊の一技法および,その技法を用いた舞踊曲の略称。演者が後頭部に面をつけ,一人で二役を踊り分けること。古くから多く演じられてきたのは,狂言《釣狐》に想を得て白蔵主と狐を踊り分ける趣向で,佐渡嶋長五郎が家の芸としていたものである。これを受けついだ代表作が,1762年(宝暦12)4月江戸市村座で2世瀬川菊之丞が踊った四変化《柳雛諸鳥囀(やなぎにひなしよちようのさえずり)》の一つで,曲は長唄。その後,夜鷹と折助,粂仙人と雷・天人などいくつかの変り種ができた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

うしろ‐めん【後面】

〘名〙
① 歌舞伎舞踊の一つ。後頭部にも面を付け、身体の前後をそれぞれ別の役に演じ分ける趣向。享保一七年(一七三二)に佐渡島長五郎が「釣狐」を所作事化したときにはじまるという。
※咄本・百福茶大年咄(1789)とし忘れ「なんぞおどりをみたか〈略〉はじめが、どうせうじ、それから、うしろめん」
② ①に用いる長唄、または浄瑠璃の俗称。
※雑俳・柳多留‐六九(1817)「かた法華内でひかせぬうしろ面

こう‐めん【後面】

〘名〙
① うしろがわ。後部。後方。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五「羅馬(ローマ)人の語に曰く、機会は〈機会を生きたる人と做して言なり〉顙(ひたひ)に毛ありて、その後面は禿せり」 〔楊万里‐舟過桐廬詩〕
② のちの面会。
※貴理師端往来(1568頃)「猶期後面之時候」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

後面
うしろめん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
享保2.冬(大坂・沢村長十郎座)

後面
(通称)
うしろめん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
旅柳二面鏡 など
初演
明和6.3(江戸・市村座)

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