四川暴動(読み)しせんぼうどう

精選版 日本国語大辞典 「四川暴動」の意味・読み・例文・類語

しせん‐ぼうどう【四川暴動】

  1. 中国、清末に鉄道国有化問題をめぐって起きた事件。一九一一年、清朝が諸外国からの借款によって川漢線などの国有化を企てると、各地に反対運動が起こったが、特に四川では官憲弾圧に激昂した民衆が大規模な武装闘争をくりひろげ、辛亥革命端緒となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「四川暴動」の意味・わかりやすい解説

四川暴動
しせんぼうどう

中国で辛亥(しんがい)革命の端緒となった民衆による反体制運動。日清(にっしん)戦争後、列強は中国に対する既得権獲得に狂奔した。こうしたなかで、1911年5月、清朝政府は鉄道国有化令を出し、郵政大臣盛宣懐(せいせんかい)の名でイギリスアメリカ、ドイツ、フランス4か国の借款団から600万ポンドを借り、民営の湖広(ここう)鉄道を国有化の美名のもとで外国に売り渡そうとした。政府のこの買弁政策に対し、四川、湖北広東(カントン)各省を中心に、反清・反帝国主義を内容とする、鉄道を守る「保路(ほろ)」運動が起こり、初め陳情、請願の形をとったが、四川省の陳情団40余名が官憲の手によって射殺されると、9月には数百万の大衆が参加する一大武装闘争に発展した。清朝政府は大臣端方(たんぽう)に湖北軍を率いて鎮圧させた。しかし鎮圧がほぼ成功したかにみえたころ、手薄となった湖北省の武昌(ぶしょう)で革命ののろしがあがり、10月10日に新軍、同盟軍が蜂起(ほうき)し、辛亥革命が始まった。

[山下龍三]

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旺文社世界史事典 三訂版 「四川暴動」の解説

四川暴動
しせんぼうどう

辛亥革命の端緒となった中国民衆による反体制運動
1911年,清国政府がイギリス・フランス・ドイツ・アメリカの四国借款団から資金を借りて民有鉄道の国有化を計画したとき,これに反対して四川省に暴動が起こり,同年10月の武昌挙兵 (ぶしようきょへい) の起因となり,辛亥革命に発展した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「四川暴動」の解説

四川暴動(しせんぼうどう)

辛亥(しんがい)革命

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