改訂新版 世界大百科事典 「四部分類」の意味・わかりやすい解説
四部分類 (しぶぶんるい)
Sì bù fēn lèi
中国の書物の分類法。経,史,子,集の4部に分ける。経部は,四書五経など儒家の経典とその注釈書および字書,韻書など語学書,史部は,歴史関係書で地理も含める。子部は,儒家も含めて法家,道家などの諸子および農学,医学,芸術などの技術書,集部は,詩文集から戯曲,小説に至るまで文学書を収める。前漢末,劉向(りゆうきよう)・劉歆(りゆうきん)父子がはじめて宮廷の蔵書を整理したときは,六芸(経部相当),諸子(子部),詩賦(集部),兵書,術数,方技の6類であったが,晋代,歴史書の増大により,史部が六芸から独立し,技術関係の停滞にともない,兵書,術数,方技が子部に合併され,四部となった。各部所属の書物数がほぼ均衡しているので,部内の小分類にいくらか修正を加えながら,清末まで行われた。しかし,西洋の学術が伝わってから以後は,四部の分類に収まらない新しい学問の書物が増加したので,適用できなくなっている。
→目録学
執筆者:清水 茂
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報