精選版 日本国語大辞典 「回文・廻文」の意味・読み・例文・類語
かい‐ぶん クヮイ‥【回文・廻文】
〘名〙
① 二人以上の宛名人に順次に回覧して用件を伝える文書。諸役に参勤すべきことや訴訟のときに原告、被告に出頭することを命ずるときなどに用いられた。宛名を列記するのが普通であるが、記さないこともある。この状を受けた者は、自分の名の所に、承知の旨あるいは不都合の旨を記して次の者に回した。最後に出したところへ戻る。回状。回文状。回章。まわしぶみ。めぐらしぶみ。
※権記‐長保四年(1002)一〇月六日「先日依二去年例一可レ調二熟食一之由、有二廻文一」
※隆祐集(1241頃)「十禅師に奉る百首の上置長歌字、よもじにあたりて侍るに、廻文」 〔晉書‐烈女伝〕
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