回転対称（読み）カイテンタイショウ（その他表記）rotational symmetry

デジタル大辞泉

かいてん‐たいしょう〔クワイテン‐〕【回転対称】

一つの点を中心に、ある図形を360/n度回転させたとき、元の図形に完全に重なり合うこと。このとき、nは2以上の整数であり、n回対称性という。

出典　小学館

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

回転対称
かいてんたいしょう
rotational symmetry

空間的な図形を一つの軸のまわりに回転させるとき，角度 2π/n ごとに初めの図形と一致する場合，n 回の回転対称があるといい，その軸を回転軸または対称軸，n を回転対称の回数または次数という。回転楕円体のように一つの軸のまわりに回転してできた図形では，n は無限大である。結晶に現れる対称に関しては n＝1，2，3，4，6にかぎられる。また一つの軸のまわりの回転と，その軸上の 1点に関する点対称操作（反転）とを組み合わせたものを回反といい， で表す。1回の回反は反転，2回の回反は鏡映（面対称操作）である。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

化学辞典 第2版

回転対称
カイテンタイショウ
rotation symmetry

図形を一つの軸のまわりに任意の位置から角度2π/nだけ回転したとき，もとの図形と回転後の図形に変化がない場合，n回の回転対称をもつという．[別用語参照]回転軸

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

世界大百科事典（旧版）内の回転対称の言及

【結晶】より

…すべての格子点は互いに並進対称的に同価である。
［回転対称］
　結晶によっては，格子並進対称以外の対称をも示すものがある。例えばある軸の周りに結晶構造を360゜/nだけ回転させると，回転前のものと重なるというn回回転対称をもつことがある。…

【対称】より

…鏡に写した顔はもとの顔と鏡の面に関して面対称といえる。平面上の図形Fが点Oのまわりの角αの回転によって自分自身に重なるとき，FはOに関して角αの回転対称であると呼ばれる。また，空間内の図形Fが直線gのまわりの角αの回転によって自分自身に重なるとき，Fはgに関して角αの回転対称であるという。…

※「回転対称」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」