サンスクリット名は『ニヤーヤプラベーシャカ』Nyāyapraveśakaという。6世紀のインドの論理学者シャンカラスバーミン(天主)の著作。陳那(じんな)(ディグナーガ)の『因明正理門論(いんみょうしょうりもんろん)』の内容を初心者向けに平易に書き改めた簡明な入門書である。同書と同じく、論証、知覚と推理、論難の3部よりなる。内容的には主張、証因、喩例(ゆれい)の誤謬(ごびゅう)を11命名し多少の新種を加えた以外、とくに理論的進展はみられない。ただし、漢訳された数少ない仏教論理学書のなかでも、中国、日本で多数の注釈書が著され、もっともよく研究されたものである。
[桂 紹隆]
『宇井伯寿著『仏教論理学』(1944・大東出版社)』
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