コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

因明 いんみょう hetu-vidyā

5件 の用語解説(因明の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

因明
いんみょう
hetu-vidyā

インドの五明の一つで論理学のこと。 Akṣapāda (足目,別名ゴータマ Gautama,50頃~150頃) を開祖とするニヤーヤ Nyāya学派が成立し,その根本聖典『ニヤーヤ・スートラ』 Nyāya-sūtraが 250年頃~350年頃に編纂され,特に論争にあたって五分作法 (ごぶんさほう) と呼ばれる論式が立てられた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

いん‐みょう〔‐ミヤウ〕【因明】

《〈梵〉hetu-vidyāの訳》古代インドの論理学。五明(ごみょう)の一。物事の正邪・真偽を論証する法。宗(しゅう)(命題)・因(立論の根拠)・喩(ゆ)(例証)の三段からなる論式。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

因明【いんみょう】

サンスクリット,ヘートゥ・ビドヤーの訳。インドならびに仏教における論理学。2世紀にニヤーヤ学派によって成立(古因明),仏教に受容され,5−6世紀にディグナーガ(陳那)が出て確立し(新因明),さらにダルマキールティウッディヨータカラがこれを洗練・完成した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

大辞林 第三版の解説

いんみょう【因明】

仏教の論理学。五明ごみようの一。その立論の形式は、宗(論証すべき命題)・因(これを成立させる理)・喩(宗と因との関係を明らかにする例証)の三支からなる。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

因明
いんみょう

サンスクリット語ヘートゥ・ビディヤーhetu-vidyの漢訳。ヘートゥ(因)は論証の根拠となる名辞(三段論法に当てはめればその媒名辞)のこと。明とは学問の意。インド、とくに仏教の論理学を意味する。正理学(しょうりがく)(ニヤーヤnyya)と同義である。もっとも因明は推理論、推論式のほかに、知覚の研究である認識論および論争方法と学説の論証である弁証論をも含むから、今日では(仏教)知識論あるいは認識論、論理学とよばれている。インドでは医学書である『チャラカ・サンヒター』、龍樹(りゅうじゅ)(ナーガールジュナ)に帰せられている『方便心論(ほうべんしんろん)』などに因明の先駆的理論がみられるが、2~3世紀ころにニヤーヤ学派が『ニヤーヤ・スートラ』を編集し、伝統理論を体系化した。仏教では世親(せしん)(バスバンドゥ)の『如実論(にょじつろん)』などがある。このころは具体的な喩例(ゆれい)に基づく比論的な推理が行われ、推論式は5段より構成されていた(五支作法(ごしさほう))。その後、陳那(じんな)(ディグナーガ、480―540ころ)が『集量論(じゅりょうろん)』(プラマーナ・サムッチャヤPramasamuccaya)を著し、直接知覚と推理との二つだけを確実な認識方法と認め、論拠の3条件、唯名論的な概念論(アポーハapoha)、主張、理由、喩例の3段の論証(三支(さんし)作法)などを展開して因明を改革した。これを新因明とよび、それ以前のものを古因明という。しかし陳那になお残存していた比論的性格を払拭(ふっしょく)し、確実な論拠は同一性、因果性、非認識という3原理以外にないことを確立し、大前提、小前提、結論という3段の推論式を主張して、仏教論理学を大成したのは法称(ほっしょう)(ダルマキールティ、600―660ころ)であった。彼の認識論、論理学は多くの註釈(ちゅうしゃく)家によって祖述され、インドおよびチベットの仏教のなかに大きな伝統を形成しただけでなく、仏教以外のインド哲学諸派に大きな影響を与えた。法称の推論式においても大前提を例証する具体的な喩例はもはや補助的な役割しかもっていなかったが、11世紀のラトナーカラシャーンティは喩例を無用なものとして除き、大前提は二つの概念の外延だけによって決定されるという内遍充論(ないへんじゅうろん)を主張した。11~12世紀のモークシャーカラグプタの『論理のことば』(タルカバーシャーTarkabhs)は仏教知識論の手ごろな綱要書である。中国には陳那の『因明正理門論(いんみょうしょうりもんろん)』とその弟子シャンカラスバーミンの『因明入正理論(いんみょうにっしょうりろん)』が翻訳されただけで、法称以後の仏教知識論の本流はついに伝わらなかった。[梶山雄一]
『三枝充悳編『講座仏教思想2 認識論・論理学』(1974・理想社) ▽梶山雄一著『仏教における存在と知識』(1983・紀伊國屋書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の因明の言及

【論理学】より


[インド]
 インドの論理学は西洋論理学とは無関係に独自につくりあげられた。論理学はインドではすべての学派に共通して正理(しようり)(ニヤーヤnyāya)と呼ばれるが,仏教徒の間では特に因明(いんみよう)(サンスクリットではhetu‐vidyā)と呼ばれる。インド論理学は2世紀に,非仏教的学派である正理学派(ニヤーヤ学派)の手によって成立し,仏教徒もこの論理学を受け入れた。…

※「因明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

因明の関連キーワード論理演算結合ブランドオア帰納論理学五明真理値理学数理論理学アンド二値論理学

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

因明の関連情報