国市池(読み)くにちいけ

日本歴史地名大系 「国市池」の解説

国市池
くにちいけ

[現在地名]高瀬町比地中

比地中ひじなかにあり、豊中とよなか町に接する。慶長二年(一五九七)生駒氏の命により築造された。寛文八年(一六六八)から同一〇年にかけて丸亀藩主京極氏によって増築、完成した。増築に際し農家四五戸が移転したと伝える。普請奉行は柿太郎左衛門・勝田五郎兵衛・中村甚兵衛・河口市太夫であった。増築にあたり、古来からあった坊主ぼうず池・古五町こごちよう池を取入れ大池にした。当池は平地に築かれたため、あさ村で高瀬川を堰止め、延長三千八〇〇余間(六・八四キロ)の承水溝で導水した。導水路が不備のため、満水になることはなかった(高瀬町誌)。昭和九年(一九三四)承水溝改修工事を行い、満水可能となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「国市池」の解説

国市池

香川県三豊市高瀬町にある溜池。16世紀末の築造で、「中村古事記」にも記載がある。古くは讃岐一の大きさを誇る池、ということで「国一池」と呼ばれていたが、明治初期に「国市」の表記に改められた。ハマシギシロチドリ、サギ類、カモ類が多数訪れる野鳥観察の人気スポット。カヌーの練習場にもなっている。2010年には農水省「ため池百選」に選定された。

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