国際フェアトレードラベル機構(読み)こくさいふぇあとれーどらべるきこう(その他表記)Fairtrade Labelling Organizations International

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

国際フェアトレードラベル機構
こくさいふぇあとれーどらべるきこう
Fairtrade Labelling Organizations International

途上国の農産物などを適正価格で継続的に輸入・消費するフェアトレード運動の普及に取り組む国際組織。略称FLO。国際的なフェアトレードの統一基準をつくり、基準を満たした農産物や雑貨に国際フェアトレード認証ラベルを貼付(ちょうふ)することで、フェアトレード商品の世界的な普及を後押ししている。日米欧でフェアトレード運動に取り組む14の非営利組織が集まって1997年(平成9)に発足した。本部をドイツのボンに置く。2002年には国ごとに異なっていた認証ラベルを統一。フェアトレード認証ラベルの貼付を希望する民間企業は同機構に登録料を支払い、同機構の認証を受けてフェアトレード運動に参加する。同機構の傘下には、2013年1月時点で、ヨーロッパ諸国や北米のほか日本、韓国、オーストラリアニュージーランド南アフリカ共和国などの25の非営利組織がある。2007年には、国際社会環境認定表示連合(ISEAL:International Social and Environmental Accreditation and Labelling)に加わった。国際貿易の不均衡を問題視し、より公平な貿易を推進するための権利擁護(アドボカシー)活動にも取り組んでいる。

 同機構が認証する産品は、2013年1月時点で、バナナ、コーヒー、カカオ綿花、花、生鮮果物、蜂蜜果汁、米、香辛料砂糖、茶、金、スポーツボール、ワイン、複数の認証産品による加工品の16品目。生産者に最低買い付け額以上の報酬が払われているかどうかなどの「経済的基準」のほか、希少種保護や遺伝子組換え作物の使用禁止などの「環境的基準」、児童・強制労働の禁止などの「社会的基準」の3基準を満たしているかどうかを点検農場などの生産現場だけでなく、輸出入業者、加工・製造業者、販売業者までの全過程で点検して認証している。かつては原料すべてが基準を満たした品目を認証していたが、2014年1月からは、民間企業が自社の扱う原料についてフェアトレードでの購入量に数値目標を宣言できる新制度も導入した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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