国際労働組合連合World Confederation of Labour(WCL)の略称。ブリュッセルに本部をおく,もとはキリスト教系の国際労働組合組織。1920年にオランダのハーグで生まれた国際キリスト教労働組合連盟International Federation Christian Trade Unions(IFCTU)が,68年の第16回大会(ルクセンブルク)で原則宣言を採択し,ヨーロッパ的組織の伝統からの脱皮と第三世界の恵まれない労働者の組織化とを目ざし,〈キリスト教〉の名称をはずして,この新しい名称のもとに組織の変革を行った(訳語としては〈国際労連〉より〈世界労働総同盟〉のほうが適当である。ここでは1913年結成のIFTU(国際労連)との混同を避けるためにWCLと記す)。第2次大戦前にはドイツとイタリアに最大の加盟団体を擁していたが,戦後はフランスにかわった。そのフランスでも,64年に〈組織の世俗化〉をはかるため有力なフランス・キリスト教労働組合総連盟(CFTC)が〈キリスト教〉の名称をはずし,79年にはWCLから脱退してしまった。現在では,ベルギーとオランダに有力組合をもつほかは,ヨーロッパではいずれも少数派であり,第三世界での組織化に期待がかかるわけである。WCLの地域組織としては,ラテン・アメリカ労働組合総同盟(CLAT)が最も活発である。アジアにはWCL Brotherhood of Asian Trade Unionists(WCL-BATU,国際労働組合・アジア民主労働組合員連合)があって,日本にWCL-BATU東京事務所がおかれているが,日本には加盟団体はない。国際自由労連との統合が進められ,両者は国際労働組合総連合(ITUC)に合流した。
→キリスト教労働組合
執筆者:高橋 武
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…第2次大戦後の労働組合運動再建には,戦線を統一してドイツ労働総同盟(DGB(デーゲーベー))が結成され,55年にザール地区を中心に勢力を盛り返したが,現在も少数派にとどまっている。フランスでは,有力なフランス・キリスト教労働総同盟(CFTC,1919設立)が64年に〈組織の世俗化〉をめざしてフランス民主労働総同盟(CFDT(セーエフデーテー))と改名し(一部はそのまま残った),その組織と行動力を高め,77年には旧キリスト教系の国際労連(WCL)と手を切るに至った。イタリアでは旧キリスト教系労働組合と合体したCISL(イタリア労働組合同盟)が国際自由労連に加盟し,傘下の一部ACLI(イタリア・カトリック労働者協会)が国際労連の特別加盟にとどまるだけである。…
※「国際労連」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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