日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際博物館会議」の意味・わかりやすい解説
国際博物館会議
こくさいはくぶつかんかいぎ
International Council of Museums
博物館とその専門家による活動を支援する国際非政府機構。略称ICOM(イコム)。1946年に設立され、事務局をパリに置く。国連経済社会委員会の諮問機関でもある。131の国と地域から5万人に及ぶ博物館の専門家が活動に参加しており、執行委員会と諮問委員会のほか、世界を八つの地域に分けた地域連盟と120の国内委員会、専門分野に分けられた34の国際委員会によって組織されている(2022年時点)。世界の自然や文化遺産の保全・維持活動を支援し、文化財の密売への対処などといった、専門的な問題に取り組むことをおもな目的とする。また、専門家間の国際的な協力や交流を促進し、専門知識や倫理面の水準向上を目ざした人材教育を支援している。日本では1951年(昭和26)にICOM日本委員会が設立され、ICOM本部との情報交換や事業参画を図っている。事務局は東京都台東区にある公益財団法人日本博物館協会に置かれている。
ICOMは1977年に毎年5月18日を「国際博物館の日」と制定し、博物館が社会に果たす役割を広くアピールしている。この活動に賛同する博物館はこの日の入館料を無料とするほか、記念品の贈呈や講演会などの記念事業を行っている。
[編集部]
世界博物館大会
ICOMの全メンバーが招待され、すべての委員会が一堂に会する大会。これにあわせて最高管理機関であるICOM総会が開かれ、執行委員の選挙が行われるとともに、戦略計画が採択され、以降の活動の指針が示される。1948年から3年ごとに開催されており、2019年(令和1)には日本で初めてICOM京都大会が開かれた。
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