土佐泊城跡(読み)とさどまりじようあと

日本歴史地名大系 「土佐泊城跡」の解説

土佐泊城跡
とさどまりじようあと

[現在地名]鳴門市鳴門町土佐泊浦 土佐泊

大毛おおげ島の南端小鳴門海峡に面して港湾を有する典型的な海城跡で、標高五一メートルの松瀬まつせ山北部の小突起上に築かれた部分(古城)と、その南東方にある松瀬山の頂上(標高八〇・四メートル)に築かれた部分(新城)に分けられる。いずれも山の北側の急斜面を自然の城壁に見立てて築城したものである。現在残る遺構はいずれも戦国時代のものと推定されるが、頂上の部分は小突起上のものよりも新しい造りとなっており、おそらく天正一〇年(一五八二)以降のものと考えられる。古城の中心的な曲輪は二一メートルに一一メートルと狭小で、その北西方にも一段低い狭小な曲輪があり、その北方に堀切が設けられている。さらに北方に現在切通し道路となっている深い鞍部があり、往時はここも堀として利用したと推定される。南方は緩やかな斜面の尾根となり、ここも狭小な平地が四段ほど続き、周囲には低いながらも石垣が残っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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