土居氏(読み)どいうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「土居氏」の意味・わかりやすい解説

土居氏
どいうじ

中世伊予国(愛媛県)の豪族。伊予の有力豪族河野(こうの)氏の支族で、河野通有(みちあり)の弟通成(みちなり)を祖とするといわれる。久米(くめ)郡土居(どい)(松山市南土居町)の地を本拠とする。通成の子(孫ともいう)通増(みちます)は、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)の元弘(げんこう)の変に呼応して1333年(元弘3・正慶2)伊予に兵をあげた。その後同族得能通綱(とくのうみちつな)らとともに新田義貞(にったよしさだ)軍に属して各地を転戦し、1336年(延元1・建武3)10月越前国(えちぜんのくに)に逃れる途中討ち死にした。室町時代以降の一族は河野氏の家臣団一員となり、1585年(天正13)河野氏とともに滅亡した。

[山内 譲]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土居氏」の意味・わかりやすい解説

土居氏
どいうじ

伊予国久米郡石井郷土居の豪族。鎌倉時代河野通成を祖とする。元弘の乱 (1331) には後醍醐天皇に味方し,南北朝争乱には南朝方として活躍した。ほか美作石見をはじめ各国に土居姓がある。

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