土手鍋(読み)ドテナベ

関連語 土手焼 名詞

日本大百科全書(ニッポニカ) 「土手鍋」の意味・わかりやすい解説

土手鍋
どてなべ

カキを材料とする鍋料理で、鍋の内側にみそ土手のように塗り付けるのでこの名前がつけられたという。江戸時代の中期広島からカキを船に積み込んで大坂に行き、カキ船料理を始めたときに、安芸(あき)郡矢野村の土手長吉という人が創作したのがこのやり方だったという説もある。土手鍋の標準分量は、カキのむき身400グラム、焼き豆腐半丁、長ネギ3本、シュンギク2把、白みそ250グラムに赤みそ50グラムを、4~5人分とする。2種のみそにだし汁1カップを加えてよく練り、それを鍋の周辺内側に土手のように塗り、鍋にだしを入れて火にかけ、すこし焦げたときに材料を加え、みそを少しずつ鍋の中に溶かしながら煮て食べる。

多田鉄之助


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「土手鍋」の解説

どてなべ【土手鍋】

だし汁や調味料などを加えて練ったみそを鍋の内側の側面に土手のようにぐるりと塗りつけ、鍋の中にだし汁を入れ、みそを少しずつ溶きながら牡蠣(かき)と野菜などを煮て食べる鍋料理。みそを塗ったあと、軽く焼くこともある。はまぐりを用いたものもある。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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