土湯峠(読み)つちゆとうげ

日本歴史地名大系 「土湯峠」の解説

土湯峠
つちゆとうげ

福島市と耶麻郡猪苗代町の境に位置。標高一二七一メートル。江戸時代には会津地方と福島城下を結ぶ福島街道の峠として重視され、おお峠ともよばれた。かつての峠は野地のじ温泉の東から南西に向かい、鬼面きめん(一四八一・六メートル)山頂のすぐ西側を越えて横向よこむき温泉(現猪苗代町)に至った。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)八月一〇日条に「土湯之嵩」とみえ、阿津賀志あつかし(現国見町)での合戦に際し鎌倉勢が当地を越えたとされるが地理的に無理がある。天正一三年(一五八五)五月一三日、会津攻めに際し、大森おおもり城主伊達成実により猪苗代盛国の元へ派遣された使僧三蔵軒は、土湯通を経て猪苗代に向かったという(貞山公治家記録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土湯峠」の意味・わかりやすい解説

土湯峠
つちゆとうげ

福島県北部,吾妻山安達太良山の間にある峠。野地峠とも呼ばれる。標高 1242m。福島市と猪苗代町を結ぶ国道 115号線が走り,磐梯吾妻スカイライン (磐梯吾妻道路) が合流する。冬は雪深い峠道となる。福島口側には野地温泉土湯温泉,猪苗代口側には横向温泉があり,観光客でにぎわう。磐梯朝日国立公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android