立春(読み)リッシュン

デジタル大辞泉 「立春」の意味・読み・例文・類語

りっ‐しゅん【立春】

二十四節気の一。節分の翌日。太陽の黄経こうけいが315度に達する日をいい、太陽暦で2月4日ごろ。暦の上でがはじまる日。 春》「―の米こぼれをり葛西橋/波郷

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立春」の意味・読み・例文・類語

りっ‐しゅん【立春】

  1. 〘 名詞 〙 二十四節気の一つ。太陽の黄経が三一五度のときをいう。雑節基準日八十八夜二百十日などの起算日。新暦二月五日頃に当たり、昔の中国および日本ではこの日から春になるとした。立春節。和語では「春立つ」が用いられ、その年のうちにこの日を迎えることもあった。→年内立春。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「令美濃国、立春暁挹醴泉而貢於京都、為醴酒也」(出典続日本紀‐養老元年(717)一二月丁亥)
    2. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

たつ‐はる【立春】

  1. 〘 名詞 〙 一年を二四の節気に分けた年初の節気。春立つ日。りっしゅん。
    1. [初出の実例]「たつはるの朝よみける」(出典:山家集(12C後)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「立春」の意味・わかりやすい解説

立春 (りっしゅん)

二十四節気の一つ。現在では太陽の視黄経が315°のときをいい,2月4~5日に当たる。旧暦では春は正月~3月をいい,元日に春が始まることになっていたが,中国や日本では立春からを春と呼ぶことも多い。暦法上では冬至を11月のうちに置くということが基本になっているので,その約45日後にくる立春は12月15日から正月15日の間におさまって平均すれば元旦立春ということになる。12月のうちに立春がくることを年内立春という。頻度からいうと新年立春より年内立春のほうがわずかではあるが多い。立春を正月節という。立春から2月節啓蟄の前日までを節月の正月と呼ぶ。旧暦に記載されていたかず多くの暦注のほとんどは節月に従うから,暦注の世界では立春に新年を迎える。事実,陰陽道では立春からを新年とするといわれる。春は名のみでと評される立春ではあるが,春立つ日とはもう寒さも峠を越えてこれからは春に向かうという意味で,とくに二十四節気の名称の基盤となった華北の気候は日本より春が早くくる。
節分
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「立春」の意味・わかりやすい解説

立春【りっしゅん】

二十四節気の一つ。太陽の黄経が315°のときで,現行暦の2月4,5日。冬至春分のちょうど中間。節分の翌日。旧暦では春の始まり。
→関連項目中国暦土用二百十日八十八夜春巻

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「立春」の意味・わかりやすい解説

立春
りっしゅん

二十四節気の一つ。陰暦正月節で春の季節の始まり。太陽の視黄経が315度に達するときで、現行暦の2月4日ごろにあたる。立春は冬季が終わるときで、季節の変わる節分であるが、暦には立春の前日を節分として記載する。節分は季節の変わり目で、春夏秋冬の節分があるが、現在では節分といえば立春の前の節分をさしている。

[渡辺敏夫・根本順吉]

気象

日本の各地でこのころから気温上昇に向かう。日足は伸び、木々もしだいに芽吹いてくるので、春の気配をどことなく感ずる時期である。春の季語。

[渡辺敏夫・根本順吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立春」の意味・わかりやすい解説

立春
りっしゅん

二十四節気の一つ。立春を迎えて太陰太陽暦の新年が明け,春の季節が始るとした。すなわち立春は正月節 (1月前半) のことで,太陽の黄経が 315°に達した日 (太陽暦の2月4日か5日) から雨水 (太陽の黄経 330°,2月 19日か 20日) の前日までの約 15日間であるが,現行暦ではこの期間の第1日目をさす。この頃は春風とともに寒さがやわらぎ,万物が春の装いを新たにする時期で,昔中国ではこれをさらに5日を一候とする三候 (東風解凍,蟄虫始振,魚上氷) に区分した。これは,東風が吹いて氷が解けはじめ,地中に冬ごもりした虫が動きはじめ,水中に休止していた魚が氷を出てくる時期の意味である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「立春」の読み・字形・画数・意味

【立春】りつしゆん

春立つ日。清・銭大〔丁巳人日、七十生誕漫成〕詩 人日の生は恰(あたか)も立春 びは生ず、七十白頭の人

字通「立」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本文化いろは事典 「立春」の解説

立春

冬と春の分かれる節分の翌日であり、立春は寒さがあけて春に入る日です。また、立春以降初めて吹く南よりの強風を春一番と呼び、立春の早朝禅寺では厄除けのために門に縦書きをすると、左右対称になる「立春大吉」と書いた紙を貼る習慣があるようです。

立春

立春は、冬至と春分の間の2月4日頃に当たります。また、この日から雨水(2月19日頃)までの期間を立春と呼ぶこともあります。立春は冬と春の分かれる節目の日である「節分」の翌日で「寒さがあけて春に入る日」いわば春の初日です。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

占い用語集 「立春」の解説

立春

二十四節気の一つ。東洋では一年の始まりとも考えられ、毎年2月4日前後がこれに該当される。

出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android