(読み)ツチ

デジタル大辞泉「土」の解説

つち【土/地】

岩石が分解して粗い粉末になったもの。土壌。「花壇の―を入れ替える」
地球の陸地の表面。地面。大地。「故国の―を踏む」
「天」に対し、地上のこと。
「空から―へひと息にポーンと降り立つ雨の脚」〈柳虹・雨の脚〉
鳥の子紙の一。紙の原料となる植物繊維に泥土をまぜて製した下等な和紙。
(「犯土」「槌」「椎」とも書く)陰陽道おんようどうで、土公神どくじんのいる方角を犯して工事などをすることを忌むこと。また、その期間。の庚午から甲申までの15日間をいう。つちび。
人の容貌ようぼうの醜いことをたとえていう語。
「御前なる人は、まことに―などの心地ぞするを」〈・蜻蛉〉
地下じげのこと。
「―の帯刀たちはきの、歳二十ばかり、たけは一寸ばかりなり」〈落窪・一〉
[下接語]赤土あら合わせ土うわ置き土鹿沼かぬま壁土黒土肥え土しら底土たたき土作り土とこにがねば練り土はにへなけ土・盛り土焼き土焼け土せ土・用心土
[類語](1土壌土地大地壌土土砂赤土黒土緑土黄土凍土ローム粘土陶土はに壁土アンツーカー腐植土腐葉土シルト残土/(2大地
[補説]作品名別項。→

ど【土】[漢字項目]

[音](慣) (漢) [訓]つち
学習漢字]1年
〈ド〉
つち。「土塊土管土器土偶土砂どしゃ土壌土石土葬土台土木黄土客土出土泥土粘土表土糞土ふんど
人の住みつくところ。領有する地域。土地。「異土王土郷土国土焦土浄土寸土全土風土本土冥土めいど沃土よくど楽土領土
地方。その土地の。「土豪土産どさん土俗土着
五行の第三位。「土用
土佐とさ国。「土州
〈ト〉
土。地域。「土地率土
トルコ。「露土戦争
〈つち〉「土色赤土壁土黒土
[名のり]ただ・のり・はに・ひじ
[難読]産土うぶすな生土うぶすな土器かわらけ三和土たたき土筆つくし土耳古トルコ土師はじ・はにし土産みやげ土竜もぐら唐土もろこし

つち【土】[書名]

長塚節ながつかたかし小説。明治43年(1910)発表。作者郷里鬼怒川のほとりの農村舞台に、貧農一家の生活を写生文体で細に描く。昭和14年(1939)、内田吐夢監督により映画化。出演、小杉勇風見章子ほか。第16回キネマ旬報ベストテンの日本映画ベストワン作品。

ど【土】

つち。土壌。「に帰す」
土地。地方。国。
医師は…至急に―を換うるが第一ならんと」〈逍遥・内地雑居未来之夢〉
土曜日
五行ごぎょうの第三位。方位では中央、季節では土用五星では土星十干ではつちのえつちのとに配する。

に【土】

土。特に赤土。
櫟井いちひゐ丸邇坂わにさの―をはつ―は膚赤らけみ」〈・中・歌謡〉

と【土/度】[漢字項目]

〈土〉⇒
〉⇒

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精選版 日本国語大辞典「土」の解説

ど【土】

[1] 〘名〙
① つち。土壌(どじょう)。〔書経‐禹貢
② 土地。大地。国土。領地。地方。場所。
※観智院本三宝絵(984)下「又彼仏は此土衆生に大誓願あり。此土の衆生は彼仏に大因縁あり」
※高野本平家(13C前)二「嶋にも人まれなり。おのづから人はあれども、此土(ド)の人にも似ず。色黒うして牛の如し」 〔春秋左伝‐隠公一〇年〕
③ 五行の一つ。季節では土用、方位では中央、色では黄、天体の五星では土星にあたる。
神皇正統記(1339‐43)上「此神に木・火・土・金・水の五行の徳まします」 〔史記‐天官書〕
④ 「土曜」の。古暦で、七曜の一つ。また、現今の暦で一週間の七番目。
※森鴎外日記‐明治三一年(1898)一月「一日(土)歳を観潮楼に迎ふ」
[2]
[一] 「土佐国」の略。
[二] 「トルコ(土耳古)」の略。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「土」の解説


つち

長塚節 (たかし) の長編小説。 1910年発表。夏目漱石の依頼に応じて『朝日新聞』に連載した作者の唯一の長編で,郷里である鬼怒川に沿った僻村を舞台に,農民生活の実態を徹底して描写した作品。農村の四季風物年中行事などを背景に,小作農の貧しさ,利己心などを独自の写生文で克明にあるがままに描いて,農民文学の代表作となった。


つち

日本映画。 1939年日活作品。監督内田吐夢。脚本八木隆一郎北村勉原作長塚節。出演小杉勇,風見章子,山本嘉一。土に生きる貧しい農民の生態を,3年の制作日数を費やして重厚かつ克明に描いた文芸映画で,この年のベスト・ワンに選出された。


つち

土壌」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア「土」の解説

土【つち】

長塚節(たかし)の長編小説。1910年,夏目漱石の推薦で朝日新聞に連載。作歌と写生文で鍛えたリアリズムの手法により,鬼怒川べりの農村を舞台に貧農一家の生活を克明精緻(せいち)に描いたもので,農民文学の代表的作品とされている。

土【つち】

土壌

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デジタル大辞泉プラス「土」の解説

1939年公開の日本映画。監督:内田吐夢、原作:長塚節、脚色:八木隆一郎、北村勉、撮影:碧川道夫。出演:小杉勇、風見章子、山本嘉一、月見凡太郎ほか。第16回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・ワン作品。

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世界大百科事典 第2版「土」の解説

つち【土】

長塚節の長編小説。1910年(明治43)に《朝日新聞》に連載。夏目漱石のを付して,12年春陽堂刊。作者の郷里である鬼怒川沿いの関東平野寒村を舞台に,そこに生きる貧農勘次一家の人間関係と生活を丹念に描く。妻のお品は自分で妊娠中絶しようとして命を落とす。娘のおつぎは卑屈な入り婿の父勘次と元自作農だった誇りを持つ祖父卯平の間に立ってかいがいしく働く。この3人を中心に幼い弟妹や地主一家との交渉を描き,いくら働いても貧しさから脱出できない小作農の悲惨な生活の実態が示されている。

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世界大百科事典内のの言及

【四大】より

…また密教では認識作用の〈識大(しきだい)〉を加えて〈六大〉とし,一切万有・全宇宙の構成要素とする。【井ノ口 泰淳】
[西洋]
 西洋では四大とは,〈四大元素four elements〉すなわち土,水,火,空気を指す。アリストテレスの哲学では,四大は乾,湿,熱,冷という四つの基本性質と配合され,土は乾と冷,水は湿と冷,火は乾と熱,空気は湿の熱の組合せに対応する。…

【土壌】より

…土壌は一般に土ともいわれ,岩石の風化産物である微細な破砕物質と植物遺体に生物作用が働いて生じたものである。岩石の風化産物そのものは微細物質の凝集体であって,水分や空気は固体の中に閉じこめられ,その構造の中には植物の根が容易に侵入できない。…

※「土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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