地下網(読み)じげあみ

精選版 日本国語大辞典 「地下網」の意味・読み・例文・類語

じげ‐あみ ヂゲ‥【地下網】

〘名〙 (一村共有の網の意から) 共有の網を用い、村民各自が必要な資材資金および労働力を提供し合って、一村が共同網漁業経営をすること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「地下網」の意味・読み・例文・類語

じげ‐あみ〔ヂゲ‐〕【地下網】

一村または集落による漁労組織。村または集落の住民が、各自資金・資材・労力などを提供し合って、網による漁業を共同経営すること。村張りの網。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「地下網」の意味・わかりやすい解説

地下網 (じげあみ)

漁村で地下,すなわち村が共同で経営した網漁業で,村張り網と同義。江戸時代に一般地域では直接生産者が広範に独立して本百姓となったが,そのような地域の漁村においては総百姓共有漁場が広く成立した。ここで営まれた大規模な網漁業のなかには,村中の総百姓の共同経営である地下網が少なくなかった。必要とする相当量の資材,資金,労働力などから考えて,その形態が自然だったためであろう。百姓間の経営参加の内部関係は地域によって差があり,総百姓平等参加,平等分配もあれば,各百姓の百姓株に応じて若干分化がみられる参加,あるいは各百姓の持高に比例した参加などがあった。地下網の参加者は本百姓層のみであり,水呑百姓層は無権利で労働力を買われただけであった。明治末期以降,この形態は崩れ始めた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android