地久節（読み）チキュウセツ

デジタル大辞泉

ちきゅう‐せつ〔チキウ‐〕【地久節】

《「天長地久」から》皇后の誕生日。→天長節

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ちきゅう‐せつチキウ‥【地久節】

1. 〘 名詞 〙 皇后誕生日の旧称。天皇誕生日を天長節といったのに対する。明治二〇年代（一八八七‐九六）前半頃からいわれた。
   1. [初出の実例]「二十八日の地久節の佳辰を卜し」(出典：国民新聞‐明治三七年（1904）五月二九日)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

地久節
ちきゅうせつ

皇后誕生日の旧称。老子の「天長地久」による語で、天皇誕生日の旧称である天長節に対する名称である。明治の初めごろから宮中では儀式が行われていたが、明治20年代に、地久節を奉祝すべきとの世論が高まり、女学校では学業を休んで奉祝式を催すようになった。以来昭和に至るまで続いた。明治時代の地久節は5月28日、大正は6月25日、昭和は3月6日であった。第二次世界大戦後、天皇の人間宣言に伴い、天長節が天皇誕生日と改称されるとともに地久節の名称もなくなり、単に皇后誕生日として、皇居内で家族的な祝儀が行われるだけとなった。

［片岸博子］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内の地久節の言及

【天長節】より

…1948年に天長節を天皇誕生日(現在は12月23日)と改めた。なお皇后の誕生日は地久節といった。祝祭日【米田 雄介】。…

※「地久節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」